国の公共事業の1つと言えば、道路整備！ 特に、地方と首都を繋ぐ幹線道路の整備は今も昔も変わらない超重要な事業です。三浦半島には、古代の東海道がありました。
古東海道とは
現在の東海道というと、江戸時代の東海道を指し、江戸から始まって品川→川崎→神奈川→保土ヶ谷→戸塚ときて、次は藤沢→平塚と、三浦半島をスルーしています。
しかし！ 奈良時代に初めて作られた東海道は、思いっきり三浦半島を横切っているのです。
図を見ると分かるように、三浦半島から房総半島への船のルートがありますね。東の海を渡る道なので「東海道」と名付けられたのです！！
古東海道の正確な道は不明ですが、厚木から海沿いを通って鎌倉に向かい、葉山から久里浜に抜けるとされています。
そして古東海道の三浦半島と房総半島を繋ぐ航路。そう……横須賀の久里浜港と千葉の金谷港を繋ぐ東京湾フェリーは、実は古代から変わらぬ航路を運航しているのです！！
ちなみに、京浜急行のお得なきっぷには、東京湾フェリー往復きっぷもありますので、南房総も三浦半島のぷらり圏内！ ……と、言えなくもなくもないかもしれませんね。
今回のお散歩コース
京急久里浜駅から、久里浜港まではサクッとバスで向かう事もできますが、今回はちょっと寄り道しつつ川沿いに歩いてみました！
駅から出たら左に曲がって真っ直ぐ行きます。
突き当りにある川が「平作川（ひらさくがわ）」です！
平作川
平作川は、鎌倉時代は港湾部で、水軍の船がズラッと並んでいたそうです。
当時の軍船は近現代の軍艦のように大きなものではなく、ボートのようなものでしたから、ちょうど平作川に漁船が泊まっている風景が、当時の状況に似ているかもしれませんね。
さて川が終わり、海が見えてきました。
横断歩道を右に行くと、久里浜海岸です！
久里浜海岸
ペリーといえば浦賀が有名ですが、上陸したのは久里浜！ 久里浜海岸の向かいには、ペリー上陸を記念した公園もあります。
その前をまっすぐ行きます。カインズ前の丁字路も真っすぐ行きましょう。ちなみに右に曲がって真っ直ぐ行くと京急久里浜駅です。
ひたすら真っすぐ行き、フェリー乗り場を通り過ぎてすぐ。目的地、住吉神社が見えてきました！
住吉神社
住吉神社は、かつては「栗浜神社」と呼ばれていて、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも何度か登場しています。
栗浜神社は、三浦一族の水軍の守り神として信仰されてきました。治承4（1180）年、三浦義明（みうら よしあき）が一族郎党を逃がして壮絶な討死をした「衣笠合戦」の時、義明の息子である三浦義澄（みうら よしずみ）はこの神社の山の上に旗を立てて祈願し、房総半島へと渡りました。
また、寿永元（1182）年に、源頼朝の嫡男である頼家（よりいえ）が生まれると、そのお祝いに佐原義連（さはら よしつら）を使いにして神馬が献上されたことが『吾妻鏡』に書かれています。その後、源頼朝と北条政子夫婦や、北条義時（ほうじょう よしとき）の弟・時房（ときふさ）、幼少期の頼家などが参拝に訪れたと、たびたび『吾妻鏡』に登場しました。
現在は大通り沿いにありますが、かつてはここは海の中にある小さな島で、船で参拝する神社でした。神社の裏からは東京湾の向こうにある房総半島を一望できて、三浦義澄が旗を立てた松の木があったと言われていますが、松の木は現在失われていて、神社の裏にも入りこめないようになっています。
ぷらすのぷらり
さて、帰りは京急久里浜までテクテク歩いても良いですが、久里浜港のフェリー乗り場からバスに乗って帰ることもできます。
フェリー乗り場にある売店にはイートインスペースがあり、葉山牛コロッケや横須賀海軍カレー、三崎まぐろ丼など、三浦半島グルメを堪能できます。横須賀海軍カレーを使ったカレーうどん・そばを食べられる所は、半島内でも珍しいのではないでしょうか。フェリーが運休していても営業していますので、ぜひ立ち寄りたい穴場グルメスポットです。
久里浜港の裏側にある「海辺の湯」も、海風に冷えた体に沁みる心地よさ。東京湾を一望できる展望露天風呂は一見の価値あり！
海辺の湯公式Facebook：https://www.facebook.com/yokosuka1137.umibe.kurihama4126/
