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【JR逗子】材木座から鎌倉散歩、お土産のチーズケーキを「鎌倉三浦屋」で

ようやく暖かくなってきて、散策したくなる季節となりました。今回は逗子と鎌倉のちょうど中間地点、「材木座(ざいもくざ)」から鎌倉まで歩いてみましょう!

今回のお散歩コース

JR逗子駅から40系統鎌倉駅東口行きのバスに乗って、「九品寺(くほんじ)バス停」で下車し、鎌倉駅まで寄り道しながら徒歩で向かいます。

逗子駅前のロータリー、7番のりば

このバスでは今まで行ったお散歩コースの最寄りバス停をいくつか通過します。

「久木西小路(くきにしこうじ)」バス停からは花山(かざん)法皇・後白河(ごしらかわ)法皇ゆかりの「岩殿寺(がんでんじ)」

「披露山入口(ひろやま いりぐち)」バス停からは、鎌倉御家人たちの高級別荘地「披露山」へ。「飯島(いいじま)」は、現存する最古の人工港「和賀江島(わかえのしま)」への最寄りバス停です。

九品寺

九品寺バス停で下車して、すこし来た道を戻ったところに、バス停の名前の由来である九品寺があります。

九品寺バス停
九品寺前交差点
九品寺山門

九品(くほん)とは、生前の生き方と、それに応じて死後の世界へ向かう9つの方法を表した言葉です。そして九品寺は鎌倉滅亡時に鎌倉攻めの大将だった新田義貞(にった よしさだ)が、敵である北条氏の戦死者を弔うために建立したお寺です。

山門の「内裏山」、本堂の「九品寺」の文字は、新田義貞の筆を写したものといわれます。新田義貞が北条氏に対してどう思っていたのか、文字を見上げながら思いを馳せました。

実相寺

九品寺からUターンして、九品寺バス停の手前の路地に入ります。

入ってすぐの十字路を左に……

そのまままっすぐ進むと、実相寺(じっそうじ)があります。

実相寺山門

実相寺は鎌倉御家人の工藤祐経(くどう すけつね)の屋敷跡に建てられました。祐経は曽我(そが)兄弟の仇として有名です。

なぜ仇となってしまったかは、詳しく話すと長くなってしまいますが、ざっというと、親戚同士の土地がらみのイザコザがあって、愛する妻と強制的に離縁させられた工藤祐経が、妻の父である伊東祐親(いとう すけちか)の暗殺を企てます。ところが暗殺を命じられた祐経の家来は、うっかりミスで伊東祐親の息子の河津祐泰(かわづ すけやす)を殺してしまいました。

そしてその河津祐泰の幼い息子たちが曽我氏の養子となって元服し、事件から15年以上経って父の敵である祐経を暗殺します。兄弟のうち兄は敵討ちの最中に討死、弟は捕まって処刑されました。

その後、祐経の娘の子が日蓮宗の僧となり、ここに実相寺を建立しました。彼が祖父のことをどう思っていたかはわかりませんが、なんだかこの穏やかなたたずまいがその答えで良さそうな気がします。

来迎寺

実相寺からさらに先に進むと、来迎寺(らいごうじ)があります。

来迎寺の石碑

石碑には「三浦大介義明公之墓」と書かれています。……三浦義明の墓は横須賀の満昌寺(まんしょうじ)では?

実は、こんな話が伝わっています。

源平合戦の時、頼朝が平家を倒して源氏の世になった時にそれを支えよと子や孫に託して討死した三浦義明。その功績をたたえるため、頼朝が供養のために建てたのがこの来迎寺です。

境内には三浦義明を供養する五輪塔と、共に討死した孫の多々良重春(たたら しげはる)の五輪塔、そして裏手には義明の郎党を供養する小さな五輪塔が百基あまり並んでいます。

こちらはいつでもオープンで参拝できるので、三浦一族ファンはぜひ訪れてみてください。

石清水の井

三浦の勇士たちに挨拶を済ませたら、鎌倉駅方面へ向かいます。突き当たりを左に行き……

大通りを進みます。

「水道路(すいどうみち)」交差点を右に。

水道路交差点

そこから2つ目の角、踏切の手前の細い小道に入ります。

細道の右手にあるのが「石清水(いわしみず)の井」です。

石清水の井

このあたりには、源頼朝の先祖である源頼義(みなもとの よりよし)が建てた神社がありました。源氏の氏神である石清水八幡宮(いわしみず はちまんぐう)を勧請した神社で、この井戸はその石清水八幡勧請の儀式に関係したと伝わっています。

元八幡

1分ほど進んだ先にある神社が、その石清水八幡宮を勧請した由比若宮(ゆいわかみや)です。

元八幡

源頼朝が鎌倉の地に幕府を開いたときに、氏神である八幡宮を中心とした都市計画を立て、この由比若宮の引っ越しをしました。それが今の鶴岡八幡宮(つるがおか はちまんぐう)です。

以来、鶴岡八幡宮を若宮、元々ここにあった由比若宮を元八幡(もとはちまん)とも呼んでいます。

鎌倉駅へ

元八幡の鳥居を背にして、右側へ行きます。

突き当たりをまた右へ。

もう一度突き当たりを右に……。

今度は道なりに左へ

橋を渡って……

橋の上から見た滑川

大通りに出たら右に行きます。

てくてく歩いて、高架下をくぐると……

あ、あれは……!?

三浦本宗家の家紋……三浦三つ引き!!!!!!!

吸い寄せられるように店に入ると……そこはチーズケーキ屋さんでした。

鎌倉三浦屋

三浦屋(みうらや)さんは、昨年2025年8月にオープンしたばかりのチーズケーキ専門店です。実際に三浦一族のご子孫である三浦さんご夫妻が副業として始められ、家紋をそのままお店のロゴとして使っています。

鎌倉に……三浦が……!? と鎌倉オタクはザワザワと血がたぎりますが、ご夫婦は歴史にはあまり詳しくなく、鎌倉を選んだのも、家紋をロゴにしたのも全くの偶然だったそうです。

三浦屋外観

残念ながら三浦一族の誰の子孫かは、第二次世界大戦の時に史料が焼けてしまったために不明だそうですが、ご主人の祖父が元々三浦郡にいて、その後浅草へ移ったそうです。

浅草といえば、源頼朝も崇敬していた浅草寺があり、鎌倉幕府的にはゆかりを感じます。

ご主人が経営する造作インテリアの製造会社のサテライトオフィスを鎌倉駅近くに構えることになり、どうせならあわせて観光客にも地元の方にも喜んでもらえるお店も開こう、と考えたそうです。

少し贅沢なお手土産や贈り物になるようなものを販売し、和モダンでおしゃれな雰囲気の中で、お客さんとのおしゃべりも楽しめるような交流の場をイメージされています。

チーズケーキは奥さんのこだわりがふんだんに詰まっています。グルテンフリー・白砂糖不使用を徹底し、バターも使用せず、酸化しにくい無臭タイプのココナッツオイルを使用。血糖値が気になる方もおいしく食べられるよう、ココナッツシュガーを使用するなど、身体に重さが残らないように作られています。

デリケートな素材を、味と食感が納得いくまで京都の菓子工房と試行錯誤を重ねました。……京都で作られたものを鎌倉で……というのも、有力御家人として京と鎌倉を行き来していた「三浦」っぽい!

そんなこだわり抜いた2種類のチーズケーキ……「織姫」と「彦星」。名前の由来は、奥さんの誕生日が7月7日の七夕だからだそうです。

私はココナツシュガーを使用した「彦星」をいただきました。爽やかな酸味とクリーミーさが口の中に広がります。付属のきなこをつけるとまろやかになりますが、甘さは口に残らずに、もっと食べたいと手が止まらなくなりますね! まさに「記憶に残る味」!

「彦星」

もう一つ、てんさい糖で仕上げたプレーンタイプの「織姫」(セイロンシナモンパウダー付き)と、三種のナチュラルスムージーが現在販売中ですが……夏頃には新商品が出るかもしれないとのこと!

黄(マンゴー)・紫(ミックスベリー)・緑(抹茶)のスムージー

おいしい上に、三浦の家紋が手元に……。鎌倉散策のお土産に是非!

お店情報

鎌倉三浦屋

公式Instagram:https://www.instagram.com/kamakura_miura_ya/
所在地:神奈川県鎌倉市小町1丁目3-4

そして鎌倉駅へ

三浦の歴史を辿って歩いていたら、最後にまさか現代を生きる「三浦さん」に出会うとは……。

遠い昔に生きた人々の思いと、今この場所で紡がれる日常。そのどちらも鎌倉にあって、静かに続いていると感じる散策でした。

<meta charset="utf-8">樽瀬川 真人
樽瀬川 真人

三浦半島の付け根で生まれ育ち、地元の歴史を調べていたらいつのまにか鎌倉時代の三浦の海の底にいた。 

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