
今回歩いたルート
前回は「腰越」バス停から歩いて観音崎自然博物館の展示を堪能しました。
今回は後編として、観音崎自然博物館もその敷地内にある県立観音崎公園を散策します。
観音崎自然博物館を後にして…。


観音崎自然博物館の蔵書展示を見て「こんな本があるのか」と、知識欲を満足させることができました。
お昼を食べた後も展示を見たいですが、残念ながら再入場はできないので、空腹に耐えかねて博物館を後にしました。

観音崎自然博物館スタッフの皆様。(10/9放送の鉄腕ダッシュに出演された方もいます)
隣にレストランもありますが、今回は別のお店に行きたかったので、しばらく歩きます。

駐車場のスタッフの方に聞いてみると、帰りに利用しようと考えている観音崎バス停までは徒歩12分程度だということです。


少しずつ上り坂になっていきますが、歩きます。灯台の形をしたポールも印象的です。


トンネルの先も興味深いですが、今はお昼が最優先。観音崎公園自体が広いので、1日歩いても回り切れるか分かりません。

海上自衛隊の敷地も隣接しています。

さらに進むと、観音埼灯台へ向かう登り坂も見えてきます。


トンネルの前にも登り坂があります。どこへ進むのか確かめてみたくなりますが、予定通り直進してトンネル「観音崎隧道」を抜けます。


トンネルを抜けると観音崎公園パークセンター、駐車場、バス停が目に入ります。
カフェ「エルム」でランチ満喫


お昼は前日に調べておいた喫茶店「カフェエルム」でいただきます。

メニューはこちらです。ランチメニューはいずれも1,000円を切る価格帯と、手ごろな値段がありがたいです。

筆者はビーフカレーをお願いしました。(大盛りです)

奥さんはドリアをやはり大盛りで…。

店内は他にも何名かのお客さんが。小川タカ子さんがウクレレを奏でます。曲名はダイヤモンドヘッドを意味する「カイナマヒラ」です。
「フラダンスでは普通、CDを流しますが、ウクレレを演奏しながらフラを踊るのはステータスです」と、説明してくれました。
さて、ビーフカレーですが、程よい旨さと味わいが、疲れた体に染み入ります。海風で冷えた体がわずかに暖まるように感じます。
麴入りのスープも美味しく、サラダとセットでこの価格は有難いです。(大盛りも通常料金でした) 走水の船で沖釣りを楽しんだ後、ここで食べるのも良さそうです。

お話を聞いてみると、お店は20年ほど前にオープンし、水曜日以外は営業しているそうです。ウクレレ好きなお客さんが集まるお店で、水曜は介護施設へ慰問に行かれることもあるそうです。

シンガーソングライター、瑛人さんのサインがあります。

瑛人さんのお祖父さんも遊びに来たことがあるそうです。
観音崎公園を散策

予想以上のボリュームと味に大満足し、観音埼レストハウス(海鮮が食べたいなら、こちらも美味しそうです)を脇に見ながら、観音崎公園の海岸を散策します。


バーベキューや釣りを楽しむ人たちの姿が目立ちます。この辺りはバーベキュースペースということで、皆さん、思い思いにアウトドアを楽しんでいるようです。
もしや横須賀基地所属の米兵らによるバーベキュー文化にも影響を受けたのでは? と、考えされられます。

しばらく進むと、海岸線から少し上がって灯台方面へ向かいます。

沖には久比里の遊漁船が。カワハギ釣りの帰りでしょうか?

この花はまるで芋虫のようです。


アザミなどの植物も豊富です。歩道が広く、歩きやすい印象を感じます。
「観音崎」地名の由来


歩道を進むと、山側の岩肌にほら穴が見えます。
観音崎の象徴ともいえる観音像と、建立した行基上人についての展示があり、「観音崎」という地名の由来を確認できました。

どのような植物が生えているかという案内板も参考になります。
観音埼灯台へ登る

少し先に進むと、公衆トイレの向こうに階段があります。


けっこう急な坂を、何度も折り返しながら登っていきます。

途中に見える木々の根を張る様子が力を込めているかのように見えます。

登りきると、反対側へ降りる道もあります。こちらは地層が何層にも見えてくるのが印象的です。


観音埼灯台は「社団法人 灯光会」が管理しています。

入場(参観)には「寄付金」という形で大人一人当たり300円を支払います。

灯台の維持・管理の他、一般公開に対応するために費用が発生するという趣旨のようです。
登れる灯台は日本全国で16基。神奈川県ではこの観音埼灯台のみです。

空気が澄んでいればスカイツリーも見えるそうです。


と、周辺には「マムシ、トンビに注意」と、看板があります。トビに食べ物を横取りされる危険があるのはもちろんですが、これだけ緑が多いので、マムシのエサになる小動物も多数いるのでしょう。


周辺の機器も観察し、いよいよ登り始めます。


時計回りで急な階段を登るのは、思わず緊張します。途中から足元が鉄板に変わり、すぐに屋上へ出ます。
灯台からの眺め


眺めは予想以上です。東京湾を見わたすと遊漁船から大型貨物船まで見えます。

足元にはさっき歩いてきた歩道が見下ろせます。

秋空にゴマを散らしたように飛ぶのはムクドリの群れでしょうか。

右側が登ってきた階段、左側が地層が見えるスロープ状の道。

海に突き出た窓のある要塞は、潜水艦を探知する水中聴測所跡。戦時中はパッシブソナーで潜水艦を感知しようとしたそうです。
この記事によると、昭和18年に関釜連絡船「昆崙丸」が米国潜水艦「ワフー」に撃沈されたことがきっかけで、観音崎水中聴測所が設置されたということです。
ちなみに「ワフー(Wahoo)」とは、カマスサワラを意味しますが(米国潜水艦は、魚名から命名された艦がしばしばあります)、この潜水艦は同年10月、樺太(サハリン)沖で旧日本軍が陸海軍の共同攻撃で撃沈しました。
平和のありがたさを思わず実感します…。

灯台のメカニズム


下界へ降りると観音崎灯台資料展示室もありますが、写真撮影はNG。皆様はぜひ、その目で確かめてください。

行きと同じ階段で下の歩道まで戻ると、防衛大の学生さんがカッターを漕ぐ姿も目に入ります。

赤いカラスウリの実も目に入ります。筆者が子供のころ、好きだった木の実です。

ジョロウグモの巣もいくつか目に入りました。

帰りは横須賀行きのバスに乗りましょう。

ペリーと黒船をデザインしたマンホール蓋。
今回は観音崎公園を前後に分けて散策しましたが、広い公園は自然が数多く残され、史跡や動植物に触れる機会もあり、魅力あふれる場所でした。
朝夕が肌寒い季節になってきましたが、皆様も是非、お気に入りの場所を見つけてください。