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【JR衣笠】竹林に抱かれる美術館の庭(カスヤの森現代美術館)

横須賀にカスヤの森あり

カスヤの森現代美術館エントランス

横須賀市制100周年を迎えた2007年、横須賀美術館が華々しくオープンしたころ、三浦半島のアート好きがよく言っていたセリフがあります。

「まあ、横須賀にはもともとカスヤの森があるんだけどね……。」

カスヤを知らずしてはモグリ……? かどうかはわかりませんが、国内でも非常に珍しいタイプの私設美術館が横須賀にあるんです。しかもわたしが最近歩きまくっている平作エリアに。それが「カスヤの森現代美術館」です。

アート作品を観るというとちょっと緊張するかもしれません。でも、カスヤの森はぜひ肩肘張らずにお出かけしたい美術館なんです。というわけで今回は平作川からちょっと道をそれて、平作の裏山をうろうろすることにしましょう。前々回に前を通りかかったときは閉館日で涙をのんだカスヤの森現代美術館。満を持して行ってきました。

前々回平作を歩いたときの記事はこちら。

今回歩いたルート

平作_カスヤの森現代美術館 - Google My Maps

今回もJR「衣笠」駅から出発します。カスヤの森現代美術館に着くまでは比較的交通量のある通りを行き、途中で細い道に入ります。公道だけでなく、実は美術館の敷地内もお散歩スポットなのでお楽しみに。

改札を出たら向かって左手、池上方面へと向かいます。バス通りをまっすぐまっすぐ。金谷郵便局のある交差点を左に折れて、ふたたびまっすぐまっすぐ。しばらく行くと道沿い右手に「カスヤの森現代美術館」の案内板が見えます。その場所で右に曲がり、突き当たりを左に行くとエントランスがあります。

カスヤの森現代美術館に到着

駐車場もあります

目の前の道路がかなり細いのですが、乗用車なら通行可能です。敷地内には駐車スペースも用意されています。正面の階段を上がって青い扉を開けると受付カウンターが。入館料は大人700円です。

カスヤの森現代美術館は館長の若江栄戽さんと現代美術家の若江漢字さんが創設した私設美術館です。アーティスト自身がコレクションした作品群が観られること、とくに日本では珍しい海外出身現代美術家の作品が常設されていることが特徴です。また、年に数度企画展も行っています。

平川恒太 “Talk to the silence”

今回珍しく2週連続で自分の記事を公開させてもらいました。というのも、ちょうど今週末いっぱいで展示が終了する現在の企画展をぜひご紹介したかったからなんです。平川恒太さんというアーティストの “Talk to the silence”という展示です。

メイン展示室

正面にかかっている大きな絵が真っ黒なので、最初はちょっと困惑する展示でした。でも入館時に渡してもらった作品解説を見ながら観ていると、じんわりとああ、なるほど……と見えてくるものが。ぜひ現地でお楽しみいただきたいです。

わたしはたまたまアーティストご本人の在廊時に出かけるというラッキーなタイミングで、作品についての解説をさらにくわしく伺うことができました。ほんとラッキーだった……。ただ解説がなくても、きっとそれぞれの作品が何かしら訴えかけてくることと思います。力強い展示でした。

平川恒太 “Talk to the silence”開催情報

「死の島 – 3つの白い太陽(部分)」
平川恒太 “Talk to the silence”
2021年10月2日[土]- 12月19日[日]
10:00-17:30(入館は17:00まで)
毎週:月・火・水曜休館
入館料/一般700円、学生600円(小学生400円)

 本展では、カスヤの森現代美術館が教会をイメージして建てられていることに着目し祭壇画などのキリスト教美術からのイメージや手法を用いながら、平川が予てより取り組む「記憶のケイショウ」をテーマに新作を発表します。「ケイショウ」とは「継承、警鐘、形象」など複数の意味をもちます。本展では、私たちの記憶から失われていく歴史に、リサーチを通して対話するように制作された作品によって展覧会が構成されます。

カスヤの森現代美術館 / カスヤの森現代美術館

常設展もあります

カスヤの森現代美術館には常設展示もあります。メインの展示室から階段を数段上がった展示室ではヨーゼフ・ボイスの作品が。有名なレモンのやつ(「カプリバッテリー」)もありますよ。

ヨーゼフ・ボイス
ヨーゼフ・ボイスは1921年ドイツ・クレーフェルト生まれ。脂肪やフェルトを素材とした彫刻作品の制作、アクション、対話集会のほか、政治や環境問題にも介入し、その活動は多岐にわたった…

メイン展示室から見て反対側の翼には、若江漢字さんを含めた複数作家の作品が展示されています。

「パイクのグランド・ピアノ’86」

いったん裏庭に出て、外からアクセスする離れの展示室もあります。この第3展示室にはナム・ジュン・パイクの映像作品も。パイクの作品は各種芸術祭でちょいちょいお目にかかりますが、常設展となると珍しい。有名なのは福岡のキャナルシティですが、わたしはまだ行ったことがありません。

お庭を歩いてみましょう

上記でご紹介した以外にも作品が展示されているのでぜひ回ってみてください。美術館の受付奥にはカフェも併設されていて、好きなだけゆっくり過ごすことができます。現在は感染症対策でランチの提供を中止しているそうです。

手前の黄色い壁が第3展示室。メインの展示室を挟んで塔のような建物がカフェ部分

さて、わたしはそのまま裏庭に出てきました。カスヤの森現代美術館は平作の山が迫っているところに立っています。というよりも、山も敷地の一部。裏山に当たるわけです。そこを散策路として解放してくれています。

のどかな裏山

道はいくつかに分岐しています。

ふと作品が置いてある

キャプションのない作品がぽつん、と置いてあるのに出会うことも。

「誰れでもない」

私設美術館であるカスヤの森現代美術館ではサポーター制度を導入しています。サポーターになると、この写真に写っているような羅漢像をお庭の好きなところに置けるのだとか。

竹林と羅漢像

なんだか不思議な雰囲気です。道の先に知らない世界が待っていそう。

これは宮脇愛子の作品「うつろひ」

ワイヤーで作られた作品の上に日の光が踊っているの、見えますか? よくわからないなあと思ったらぜひ現地でご覧くださいね。

これはたしかヨーゼフ・ボイスの足型

ぽつんと置いてある足型。しかしそこから伸びているのは……

青空に、竹林!

背の高い木です。この裏山自身が作品に寄り添って、ひとつの世界を作っているかのよう。

現代美術館と竹林、と聞くと、一見あまり相性がいいようには思えないかも。でも実際に歩いてみると、カスヤの森現代美術館でしかありえない独特の個性が生み出されているのが感じられると思います。冬に青々とした竹林もいいですよね。機会があったらぜひお出かけください。

あ、平川恒太さんの展示は今週末、12月19日(日)までです! おすすめです! お忘れなくお出かけくださいね。

カスヤの森現代美術館 / カスヤの森現代美術館
カスヤの森現代美術館 Abraham David Christian アブラハム・デイヴィッド・クリスチャン
HIRAKAWA STUDIO – Hirakawa Kota official site / 平川恒太オフィシャルサイト
赤星友香
赤星友香

横須賀ぷらから通信主宰。クロシェター / ライター。普段はpiggiesagogoという屋号で編み図を作ったり、別館1617という自主レーベルで本を作ったりしています。横須賀育ちの北関東在住で、わりとつねに三浦半島に行く口実を探しています。

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