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【逗子・葉山】長柄桜山古墳群をゆく

葉山町と逗子市の境界にある抜群の眺望を誇る古墳群

概要

 葉山町と逗子市の境にある丘陵地帯、ちょうど県道311号の桜山隧道の直上あたりから東側つにかけてに2基の大きな古墳があります。それが今回紹介する長柄桜山古墳群です。比較的最近になって発見された古墳で、現在も整備が進められています。この古墳群には遊歩道があり、眺望を楽しむポイントも多いです。

 今回は、この古墳群を巡る素敵な散策コースを紹介します。

長柄桜山古墳群について

 長柄桜山古墳群は神奈川県内に現存する古墳としては最大級の大きさを誇る2基の前方後円墳からなる古墳群です。どちらも墳長は90メートル前後あります。

長柄桜山古墳群の概要 | 逗子市

 長柄桜山古墳群は、平成11年(1999年)、携帯電話の中継基地建設の際に発見されました。造られたのは4世紀後半。それまで、この周辺では弥生時代から古墳時代前期の住居跡などの遺跡が数多く発見されていましたが、古墳そのものはこの長柄桜山古墳群が初めてでした。そして発見から3年後、平成14年12月に「長柄桜山古墳群」として国史跡指定を受けています。

散策ルート

 スタートは田越川沿いにある京急バスの「六代御前まえ」バス停。ここから丘陵の上にある古墳群を巡り、桜山トンネルの逗子側の抗口にある「桜山七丁目」バス停まで下りるという全長約2kmのコースです。

長柄桜山古墳群 散策ルート - Google My Maps
長柄桜山古墳群 散策ルート

 逗子市、葉山町のホームページでもそれぞれ長柄桜山古墳群のハイキングコースが紹介されていますので、そちらも参考にするとよいでしょう。

逗子市の自然の回廊 長柄桜山古墳回廊コースの紹介
逗子市の自然の回廊 長柄桜山古墳回廊コースを紹介するページです。
国指定史跡長柄桜山古墳群(ながえさくらやまこふんぐん)|葉山町
長柄桜山古墳群は、今から約1600年前(4世紀後半ごろ)に築造された、現存する県内最大の前方後円墳2基で構成される古墳群です。平成11年3月に現在の第1号墳で、葉山町在住の東家洋之助さんが埴輪(はにわ)を発見したことをきっかけに、その存在が知られることになりました。三浦半島ではそれまで大型の前方後円墳が存在しないとされ...

 なお、歩く道のほとんどは山道なので、散策の際はトレッキングシューズなど、すべりにくい靴を履いていくことをオススメします。また、季節にもよりますが虫除けスプレーもお忘れなく!

アクセス

 JR逗子駅より京急バス「六代御前まえ」下車(乗車時間 3分)。またこの辺りにはコインパーキングもいくつかあるのでマイカーでのアクセスも可能です(バス停のすぐ横にもあります)。

 京急バスの系統と行き先は以下のとおりです。

[逗10]元町循環、[逗11]葉山町福祉文化会館、[逗12]葉山、[逗28](切通し下-南郷中学校) 南郷中学校 ゆき

六代御前不動院から2号墳へ

 では、六代御前まえバス停から散策スタートです。歩きはじめるとすぐ六代御前不動院が見えてきます。

「六代御前まえ」バス停。車道の向こう側は田越川
バス停からすぐのところにある六代御前不動院
「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」にも選ばれている立派なケヤキ

 六代御前が眠る六代御前不動院。「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」にも選ばれている見事なケヤキが目を惹きます。六代御前とは、平清盛の曾孫 平高清のことで、平清盛嫡流最後の一人。謀反の疑いをかけられ、ここ田越川のほとりで処刑されました。

六代御前についてはこちらの記事もどうぞ

 六代御前については鎌倉の観光情報ガイド、「鎌倉タイム」でも紹介されています。

六代御前の墓 | 鎌倉タイム
六代御前の墓ろくだいごぜんのはか田越川の畔で処刑された平家最後の嫡流平清盛の曾孫、六代御前(平高清)が処刑された場所にある墳墓です。権勢を極めた平家の最後の嫡流が眠ります。六代御前の墓。エリア逗子・葉山住 所逗子市桜山8丁目2−1−7拝観時間随時アクセスJR「逗子駅」下車、徒歩15分。もしくは京急「新逗子駅」下車、徒歩...
六代御前不動院からの眺め

 ここからまずは長柄桜山古墳2号墳へ向けて歩きましょう。六代御前の正面右側の道を進むと、目の前に見上げるような急坂が現れます。

六代御前からすぐの坂道。写真では分かりづらいが結構な急勾配

 ここから2号墳までは急坂が続きます。舗装されているので歩きにくさはありませんが、なかなかの勾配です。でもここを上り切れば、素晴らしい眺めと楽しい山道歩きが待っています。

坂道の途中にある蘆花記念公園への分岐。公園内には旧脇村邸がある
途中大きくカーブして標高を上げていく。2号墳とスタート地点の標高差は80mくらいある。
古墳群への分岐。道標がある

 しばらく進むと分岐が現れるので道標に従って右折します。

相変わらずの急登。この辺りから人家も現れる

 分岐を過ぎるとチラホラ人家も現れますが、急坂は続きます。

煉瓦塀の住居跡
舗装路が終わり、登山道っぽくなってくると道標が現れる

 舗装路はやがて山道に変わり、傾斜もようやく緩やかになってきました。先に道標のある分岐が見えます。

分岐の道標

 分岐まで来ました。左に進むと1号墳、右に進むと2号墳です。1号墳は2号墳よりずっと奥にあるので先に右の道から2号墳を目指します(左の道は2号墳の先で合流します)。

分岐の先にある2号墳の案内板
2号墳。こんもりした丘のようです

 しばらく進むと、こんもりした丘が見えてきます。これが長柄桜山古墳第2号墳です。見えているのは、前方後円墳の「方」、つまり古墳の前側です。道は古墳の上へと続いていて、程なく頂上に着きます。

2号墳の頂上、ここでくつろぐハイカーも多い。標高は100mくらい

 頂上に着きました。ここで振り返ると素晴らしい眺めが目に飛び込んできます。

2号墳からの眺望

 相模湾に浮かぶ江ノ島、そして向こうには富士山、なかなかの眺望です。絶好の富士山展望ポイントだけあって、この景色を眺めながらくつろいでいるハイカーも多いです。ここまで急坂を登ってきたので、ここがちょうどよい休憩場所になります。

2号墳から1号墳へ

2号墳後方へ

 眺望を堪能したあとは1号墳に向かって先に進みましょう。古墳の上をそのまま後方に歩いていきます。

前方後円墳の「円」の部分

 数十メートル歩くと古墳の後部です。こちらは前部以上に木々に覆われています。2号墳はどちらかと言うと「草木に覆われた丘」という印象で、ここが古墳だと思う人は少ないでしょう。1号墳は古墳として見やすくなるように整備されるようですが、2号墳は現状のまま保存するという整備方針のようです。

少し下ったところにある2号墳の国指定史跡の標柱
2号墳の案内板。奥に長柄交差点方面へ下る階段がある
2号墳案内板

 1号墳へは2号墳を下ったところにある道を進みます。

 1号墳へ向かう道として、写真の案内板では国指定史跡の標柱の前から続く道が示されていますが、道が悪い上に少しだけ遠回りです。標柱と案内板の中間に道があり、そちらの方が歩きやすいのでオススメです(上の写真の矢印)。

2号墳から下る道

 ここから少し下ります。右手にトラロープが張られていますが、特に危険なところはありません。

1号墳、2号墳の道標

 下るとすぐに左右にのびる道に出ます。この道は、2号墳手前の分岐を左手に進んだ道です。ここは道標の示すとおり1号墳に向かって右手に進みます。

1号墳へ続く道

 ここからしばらく平坦な道が続きます。2号墳から1号墳までの距離はだいたい500メートルくらいです。

道端にある石碑。風化が進行しているが「念佛」の文字だけ確認できた
途中、少しだけ眺望がある。

 道端に石碑がポツンと佇んでいますが詳細は分かりません。石碑の少し先、向かって右側に少しだけ開けた場所があり、草木の間から森戸海岸が見えます。秋〜冬は葉が落ちてもう少し視界が開けるかも知れません。

長柄交差点方面の分岐

 しばらく進むと、長柄交差点方面へ抜ける道を示す道標が現れます。ここは道標の示すとおり直進します。長柄交差点方面の道は、草が伸び放題で不明瞭です(こちらは歩いていないのでこの先の状況は不明)。

木段

 木段が現れました。この先少し上りが続きます。1号墳はもうすぐです。

1号墳が見えてきました

 正面の景色が明るくなってきました。1号墳に到着です。

1号墳。見えているのは前方後円墳の「方」の部分
1号墳の案内板

 まず見えてくるのは前方後円墳の「方」の部分です。古墳に沿って「円」の方へ進みます。

1号墳の「円」の部分

 「円」の部分に来ました。草木に覆われていた2号墳と比べると1号墳は整備が進んでいてだいぶ明るい印象です。1号墳はまだ整備中で立ち入ることは出来ません(2021年10月現在)。逗子市ホームページで閲覧ができる「国指定史跡長江桜山古墳群 整備基本計画書(平成23年)」によると整備は10年計画で進められており、1号墳頂上には下図のような展望スペースが設けられるとのこと。完成の暁には逗子・葉山を見渡せる絶好の展望スポットになりそうです。

1号墳整備イメージ [出典:国指定史跡長江桜山古墳群 整備基本計画書 [P.5](平成23年、逗子市)]
1号墳と案内板

絶景の尾根道〜下山

 古墳群巡りはこれで終わりですが、散策はまだ終わりません。この先にまだ素晴らしい景色が待っています。

1号墳案内板の先にある階段

 案内板の先にある階段を下ります。急なので気を付けて下りましょう。

階段を下る
階段を下ったところ。右手は葉桜団地の住宅街。住宅街の中にもバス停(京急・葉桜バス停)があります。

 階段を下りると山道に出ます。右手に進むと葉桜団地の住宅街に出ます。冒頭で紹介した逗子市、葉山町の散策ガイドでは、このまま葉桜団地へ下るルートが紹介されていますが、この散策ではここを左手に進みます。

気持ちのよい尾根道を歩く

 道はやや細い尾根道となり、だんだん展望がひらけてきます。

眺望のよい尾根道
逗子方面の大展望

 気持ちのよい尾根道を進むと、目の前に逗子方面の素晴らしい眺望が広がります。この散策ルートで随一の眺望です。

正面に最初に上った2号墳のピークも見える

 個人的に三浦半島の山で素晴らしい眺望が楽しめる場所としては、この長柄桜山古墳群と、三浦アルプスの仙元山近くにあるソッカが双璧だと思っています。

 ここは尾根の突端になっていて、そのまま道なりに下ると今回の散策ルートのゴールに辿り着きます。下山ルートは、先ほど歩いた1号墳と2号墳の間の山道をさらに細くしたような下りの道が続き、慣れない方は歩いていて少し心細くなるかもしれません。かと言って危険な道なのかというとそんな事はなく、注意して歩けば登山気分の味わえる素敵な道になっています。この先を進むのが不安な方は、いま歩いてきた道を引き返すか、1号墳から階段を下った右手にある葉桜団地に進めば京急バスの葉桜バス停があるので、尾根からの眺望を楽しんだあとは少し引き返して葉桜団地におりるとよいでしょう。

1号墳から葉桜団地にある葉桜バス停までのルート(Google Mapより)

 ではここからはその下山ルートを辿ってゴールを目指します。

そのまま尾根を下る。

 目の前に広がる景色を眺めながらそのまま道なりに尾根を下ります。

歩いてきた尾根を振り返るとこんな感じ。左奥に見えるのは葉桜団地の住宅街
下山道

 道はやがて草木の生い茂る細い山道になりますが、踏み跡は明瞭です。

草木が生い茂る細い山道はこれまで歩いてきた道より少し暗い印象

 このルートは日当たりがあまりよくないようで道が湿っていることもあります。滑りやすいところもあるので注意して歩きましょう(トレッキングシューズを履いて行くことをオススメします)。

左右にわかれる分岐

 下り始めてすぐのところに写真のような分岐が現れますが、この先で合流するのでここは左右どちらを選んでも大丈夫です。合流地点付近にはピンクリボン(正しいルートである証です)があります。

木にピンクリボンが結ばれている
道が岩混じりになる。滑りやすいので注意

 この辺りからしばらく岩が露出した部分が多くなります。湿っていると滑りやすいので注意して歩きましょう。

 しばらく歩くと分岐のような場所が現れます。道は右方向にほぼ直角に折れていて踏み跡も明瞭(こちらが正しいルート)ですが、直進する方向にも道らしき不明瞭な踏み跡があります。

 冒頭で紹介した散策ルートでは上図で矢印で示した場所になります。ここは直進する道には入らず右に折れましょう。

トラロープの張られた場所。倒木もあるので慎重に

 上の右折からすぐの場所です。このルートは尾根からひたすら下る道になっています。トラロープが張られたこの辺りは少しすべりやすいので注意しましょう。

シダの葉が目立ってくる。少しジャングル感がある
ゴールも近い

 しばらくすると進行方向が明るくなってきます。山道も終わりが近いです。

アパートの裏にでる

 アパートの駐車場に出ました。道は駐車場の脇を通って住宅街の舗装路に続いています。このまま道なりに進むとゴールのある県道に出ます。

下りてきた道を振り返る。横に水路がある
住宅街を歩く
県道に出る。バス停は正面に見えるトンネル(桜山隧道)の手前にある

 県道に出ました。左手にトンネル(桜山隧道)が見えます。トンネルのすぐ前に「桜山七丁目」バス停があります。また、トンネルの手前にある路地に入るとスタート地点の「六代御前まえ」バス停に出ることもできます。

 古墳群をめぐる絶景ハイキング、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介したルート以外にも、本文で少し触れた蘆花記念公園などからもアクセスできます(こちらはなかなかタフなコースです。)。もちろん葉桜団地から入るのもよいでしょう。

 よく晴れた日、ふと「散歩したいな」と思ったら、アクセスしやすく気軽に歩くことができる長柄桜山古墳群をオススメします。

Takeching
Takeching


横須賀市在住。市内にある路地裏から谷戸、裏山まで、おもにマイナーな道を愛犬とともに散策するのが日課。特に住宅街にある裏山の隠れた尾根道が好物。
東京都小金井市出身

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