しょうぶ園の紅葉が見頃と聞いて
2021年11月27日、横須賀しょうぶ園の紅葉が見頃を迎えたと聞いて足を運んでみました。
しょうぶ園にはショウブの開花期しか行ったことのない元横須賀市民ですが……。開花期以外は無料で入園できるのは知っていたのに来たことがありませんでした。土曜日だったためか、お子さん連れの方や園内施設を利用していた方などがいらっしゃり、雰囲気は地元の公園といった風情です。

なんとなく車やバスでないと行けないと思い込んでいたしょうぶ園ですが、JR「衣笠」駅からも歩けました。
意外と穴場な紅葉!


たしかに見頃!

ざっと入り口から見渡しただけではわかりにくいのですが……





紅葉する木はそこまで多くないものの、なかなかきれいでした! 12月上旬には落葉してしまいそうな気がしますが、見晴らしだけでも歩く価値あり。お天気がいい日が気持ちいいと思います。
さて、池です

もともとショウブ(厳密に言うとしょうぶ園に植わっているのはハナショウブだそうです)は湿地帯で育つ植物。つまりしょうぶ園のある場所はショウブを育てるのに適している = 水がたくさんある場所なわけですね。園内には水路がありますし、大きな池もあります。

つまりどういうことかというと、前回に引き続き平作川の流域近くにいるということなのです! せっかくの機会です、ここから歩いて上流方面を探してみましょう!
前回の記事はこちら。
歩く前の答え合わせ
前回の予想

地図内、「阿部倉」表示のすぐ右がしょうぶ園です。お池も見えますね。
この流域図は、横須賀市がWEBサイトに掲載している図をもとに、衣笠中学校・万葉公園の位置から推測して書きました。

しかし、「これだと川が山を登ってしまいませんか?」というご質問をいただきました。そうなんです。水は高いところから低いところに流れるので、これだとおかしいんです。そこで、ほかの地図と突き合わせたり、教えていただいた資料「横須賀の川」(横須賀「水と環境」研究会)を確認したりして答えあわせをしてみました。
「横須賀の川」は上記のウェブサイトから通販が申し込めます。衣笠商店街の三雄堂書店でも購入できるほか、中央図書館の郷土資料室にも2冊配架されていました。
これでだいたい網羅したはず。平作川の上流域

こちらが答えあわせの結果です! 当初に考えていた流域とはだいぶ異なるかたちになりました。上流は平作町内をもう少し流れてから阿部倉に入るのかな? などと考えていたのですが……。

実際この地図だとそう見えるんだけどなあ……。あ!

黒い星印が、実際に万葉公園と衣笠中学校のある場所。一方、横須賀市のウェブサイトではそれぞれが白い星印のところにマッピングしてあったんです。(白い星、とても見にくくてすみません……)。
最初に流域をたどっていたときは地図を見ていました。どれが何川なのかわからなかったためランドマークの場所を頼りにしていたのですが、それが間違ってたのか! なるほどすっきりした!
よし、それではすっきりしたところで歩きましょう!
今回歩いたルート
しょうぶ園をぐるっと迂回する形で平作の山を登って横浜横須賀道路の脇に出ます。そのまま大楠山登山道口をちらりとのぞいて……。
ちなみにしょうぶ園のあたりには三浦一族の城があった(平作城)と言われているのですが、そちらのお話は樽瀬川さんに譲りますね!
急な坂道

勢いよく水が流れ出す音がする道を、駅に戻る方角へと少し歩きます。

最初の曲がり角を大楠山方面へ。

このあたりは阿部倉と平作の境目です。わあ山里っぽい雰囲気!

ほんもののたぬきには会いませんでしたが、たまにいますよね。この先そこそこ急な坂が続きます。歩くときは履き慣れた、歩きやすい靴で!
まっすぐまっすぐ

写真左手が横横道路。通行音がけっこうします。そして、川っぽいフェンスが見えますね。

坂を上りきって左側が下流側。坂を歩いている間は川と出会えなかったので、少し追いかけてみましょう。

まっすぐ少し行くと橋があり、その先は歩いてたどれないようになっています。道から少し離れた場所を暗渠になって下っているのでしょう。その先は平作のヤマト運輸あたりで顔を出します。前回カワセミを見つけたあたりです。

この道路は横横に沿って作られていて、川もそれに合わせて流れを変えたようです。とってもまっすぐ。

川と離れた道は横横の下をくぐり、横須賀パーキングエリアの上り側の脇を通って坂本芦名線に出ます。エコミルや佐島・芦名方面に抜けられる道です。

それでは道の続くかぎり川を追いかけてみましょう。いいお天気だなー。

数百メートルも歩くことなく、川は暗渠に潜ってしまいました。でももうちょっとだけ進んでみましょう!

進んでいくと、左手にまたトンネルがあります。トンネルをくぐると大楠山。そのまままっすぐ進むと塚山公園方面です。以前うしがみさんが歩かれたルートから見ると、ちょうど反対側からアクセスするかたちです。
以前の記事はこちら

山頂まで行くと「プラス1時間」を大幅に上回ってしまいます。なので今回この先を進むのはやめておきました。ただ、川があるかどうかだけは確認していきましょう!

あたり一面が森。川は見えません。残念、と言いたいところですが、耳を澄ますとかすかに水音が! 横横の交通音にどうしてもかき消されてしまうのですが、しばらく聞いていると耳が慣れてきて聞き分けられるようになってきます。うん、あるな、川!
ちなみに、ここから先のルートと川の様子は公式情報があります。横須賀市の観光情報サイト「ここはヨコスカ(ここヨコ)」よりどうぞ。
PDFのハイキングマップ中、「急な階段」表記のあるあたりに川の写真があります。この辺が源流付近、阿部倉温泉も近く、硫黄の香りがすることもあるそうです(実はこちら側から大楠山に登ったことがなく、伝聞調ですみません……)。
先のほうでまた別の沢が合流してきて、その先が水源地となるそうです。ただ歩く道の確保が難しく、湧水のところまでは確認できないと「横須賀の川」にありました。水源探しをされるときは無理をなさらずでお楽しみくださいね。
小さな源流がいくつも集まって

さて、帰り道はしょうぶ園まで戻りバスに乗ることにします。もう一度川沿いを歩いていて気づきました。対岸の畑地に、小さな水路が流れているのがわかるでしょうか。奥側のフェンス真下です。
この水路は写真右手の橋の下で滝となって流れ落ち、平作川に合流していました。こんな感じで、いくつもの水源が集まって大きな川になるんですね。
いくつもの水源といえば……(池上編は次々回予定です)
そういえば前回の記事の最後、「次回は池上を歩きます」などと言っていました。そのつもりだったのですが、思いのほかはやく阿部倉方面を歩けたので、答えあわせを先にしてしまいました……。しかも次回はもうちょっとだけ平作で寄り道します。というわけで池上編は次々回、恐らく更新は年明けになるかと思います……。遅くなってしまってすみません。今回もお付き合いいただいてありがとうございました! ぜひ歩いてみてくださいね!