三浦半島をめぐり三浦一族史跡巡りも一周しましたが、まだまだ紹介すべき史跡はいっぱいあります。というわけで、2周目に突入です!!
今回は源頼朝の父・義朝(よしとも)の屋敷があった逗子(ずし)の沼間(ぬまま)を紹介した時、チラっと出て来た「神武寺(じんむじ)」に行ってみましょう!
今回のお散歩コース
神武寺への最寄りの駅は「JR東逗子」ですが、今回は京急の「神武寺」から、周辺の寺社に立ち寄りつつ、神武寺へ向かいます。
ちなみに、神武寺駅にはおなじみのハローサイクリングレンタルポートがありますよ!

池子神明社
神武寺駅を出てすぐ、大通りの向かい側に鳥居が見えます! ここが池子神明社(いけご しんめいしゃ)です。

池子神明社は、建久3(1192)年に源頼朝が社殿を創建したと伝わっています。もともとはもう少し六浦寄りの、逗子高校の奥地にあったらしいのですが、明治時代に付近の神社と合祀され、ここに移転しました。
現在の社殿は昭和63(1988)年に建て替えられました。
建久3年というと源頼朝が征夷大将軍に任命された年ですが、息子の実朝(さねとも)が誕生した年でもあります。
神武寺は源頼朝が建久3年に、安産祈願に参拝したと『吾妻鏡』にも書かれていますので、きっとそのお礼として建てたのかもしれません。

東昌寺
池子神明社の先にあるお寺が「東昌寺(とうしょうじ)」。

元々は、北条泰時によって歴代執権の菩提寺として建てられた鎌倉の「東勝寺(とうしょうじ)」が由来です。
鎌倉幕府が滅亡した時に、東勝寺の住職が本尊の大日如来像を持ちだしてここに逃げ延びて来たと伝わっています。この大日如来像は源頼朝が平家慰霊のために作ったとされているものです。
また、境内にある阿弥陀堂の中には大きな「丈六阿弥陀如来」があります。3.6mもあるこの仏像は三浦半島では珍しい大仏です。
この阿弥陀堂は、現在の逗子高校の奥にあった大上阿弥陀ヶ谷(おおがみ あみだがや)に承久3(1221)年に建てられたもので、江戸時代になって東昌寺に移転しました。
源実朝の非業の死を弔うため、母政子が運慶に依頼して造ったという言い伝えがありますが、実は寺の記録がハッキリ残っていて、宝暦5(1755)年に鎌倉の仏師・三橋宮内忠之とその息子の幸右衛門・政次郎が作製したとあります。
東昌寺公式サイト:http://www.tosyoji.sakura.ne.jp/
神武寺
さて、いよいよ神武寺へ出発!
まずは、神武寺駅前の横断歩道と池子神明社の間にある細道へ入ります。

道なりに行き、突き当りを右に行くと大通りに出ます。

ゆるい坂を登り、トンネルを抜けて坂を下ると、東逗子駅近くの踏切があります。その手前を左に。

橋を渡り、法勝寺への曲道の手前の十字を左に行き、坂を登ります。
参道
しかしこの坂、わりと急で……。電動自転車のサポートがあってもキツイです!!
電動自転車を押して登るのも大変なので、シェアサイクルの場合は一旦十字路を右に行き、近くにあるレンタルポート(ラーメン屋・康楽)に乗り捨てて行くのもおススメです。
急な坂道を上り続け、駐車場の先に広場があります。

ベンチで休憩して、あと一息!!
神武寺本堂
案内板の通りに階段を登ると鐘撞堂があり、その近くにあるのが神武寺の元本堂です。
しかし現在は檀家の方々の法要を行う「客殿」となっていて、一般見学者は立ち入り禁止です。
そのさらに階段の先にある「薬師堂」が現在の本殿です。

神武寺は奈良時代に、三浦半島ではお馴染みの僧・行基(ぎょうき)が聖武天皇の命令で建立した寺で、平安時代に天台宗のお寺となりました。
『吾妻鏡』では建久3(1192)年の源実朝誕生のさい、安産祈願のため頼朝が神馬を奉納しました。また、承元3(1209)年には、源実朝本人も参拝しています。
神武寺公式サイト:https://www.jimmuji.org/
ぷらすのぷらり
薬師堂をさらに登ると、貴重な山岳信仰の風景を堪能できます。そして山道を経て再び神武寺駅側に降りることができますが、もちろん自転車では行けません。
自転車の場合は東逗子方面へ、ブレーキを握りしめてゆっくりと下っていきましょう!
そして神武寺へ十字路まで戻ったら、川と十字路の間にある曲がり角を曲がりましょう!

奥まで進むと、今回是非とも紹介したい逗子エリアの新スポット、「桐ケ谷歴史庭園」です!!
桐ケ谷歴史庭園

前回の逗子エリア紹介の時「源義朝の屋敷はどこにあったのかわからない」としましたが、今年(2022年)5月にオープンしたこの桐ケ谷歴史庭園は義朝の屋敷「沼浜亭」の推定地に作られました!!
個人宅の敷地と庭園を一般開放した施設で、今後は敷地内の山中にあるやぐら跡なども公開していく予定だそうです。
桐ケ谷歴史庭園公式サイト:http://kirigaya-rekishi-teien.com/
五霊神社
十字路から大通り方面に行くと、横断歩道の先にある神社が「五霊(ごりょう)神社」です。

この神社は源義朝が、屋敷の守り神として建立した神社です。桐ケ谷歴史公園や、法勝寺、光照寺などの位置関係を見ると、なんとなく当時の様子が見えてくるような気がしますね!
帰りは近くのバス停や東逗子から帰るもよし、逗子・葉山駅まで足を伸ばすのもよし!
神武寺駅の向こう側には池子の森とやぐら群があります。
神武寺からはハイキングコース沿いに鷹取山(横須賀市)方面へも。