横須賀市が30年ほど前に実施していた「グリーンウォッチングヨコスカ」という事業。今ではそのなごりもだいぶ少なくなりました。しかし、コースマップが載ったブックレットが今でも横須賀市立図書館に残っている……! ということに気づき、実際に三春町コースを歩いてみたのが前回。
今回歩いたルート
今回はグリーンウォッチングヨコスカ事業のいちばん最初に制定された11のコースのうち、大津コースを歩くことにしました。京浜急行久里浜線「新大津」駅〜「北久里浜」駅のひと駅分の区間を、緑を探してうろうろします。

コースは新大津駅ではなく、駅の近くにある大津公園からスタートします。記事はコースマップに従って大津公園から歩きはじめますが、新大津駅からスタートするのでも実質的に変わらないかな、と思います!
大津公園

京急久里浜線の車窓からテニスコートがよく見える大津公園。国道134号線沿いにあるので、車で前を通る方も多いでしょうか。実は一度も入ったことがありません。果たして歩けるコースとか、あるのでしょうか。
運動公園側

駐車場わきには「横須賀古道散歩」なる案内板が立っていました。

野球場・グラウンドなどの間を縫うように歩行者用の道が整備されているようです。とりあえず一周してみましょう。コースマップによるとサンゴジュの案内板があるとのこと。そろそろ赤い実をつけていそうです(取材は10月中旬に行いました)が、見つかるかな。

並木道の外側におもしろいものを見つけました。

ちょっと斜めになっている地層。大津あたりは海の底だったこともあるんだろうなあ。

グリーンウォッチングヨコスカの案内板も、サンゴジュも見当たりませんが、お隣にある根岸小学校の児童が作った解説を見つけました。これはモチの木。




サンゴジュの解説もありました!

まだ赤い実はついていない……のか、丈が高くなって下からだとよく見えなくなったのか、わかりません。ぱっとみた感じは実がついていないけど、こちらがサンゴジュです。でもグリーンウォッチングヨコスカの案内板は見当たりません。なくなっちゃったかな。

せっかくなので公園をぐるっと一周してみます。意外と歩ける感じに整備されているんですね。

今歩いた道、実は「大津公園ウォークロード」という名前がついていたようです。一周400メートル、約750歩とな。軽いお散歩コースとして良いですね。

大津公園ウォークロードで消費できるエネルギーはウズラのたまご1個分。うれしいのか、うれしくないのか、微妙なところ……と思いながら、ウズラのたまごをトッピングできる、コース近辺のラーメン屋さんについて思いを馳せます。
児童公園側
道を渡って反対側には児童公園があります。グリーンウォッチングヨコスカ、もともとメインターゲットが子どもだったような雰囲気があります。こっちに何か残っているかも。

滑り台のてっぺんに○×ゲームがついています。これ、二人で向かい合わせになってやったら「どっちも×」「どっちも○」で戦えるなあと思ったのですが、地面からだとけっこう高さがあって届かなそうなんですよね。残念。

同じ仕様の遊具なのに、「これ明らかにそれぞれ違うデザイナーが作ったよな……」ってなるやつが並んでるの好きなんですよ。ここは馬だけやたらロマン主義っぽくていいですね。

とかくだらないことを考えていたら、公園の外周部分に、ありました! グリーンウォッチングヨコスカ大津コースの案内板です!

かなりかすれてしまっていますが、コースの道が太く描かれているのと、周辺の地図、それに「大津4丁目チビッコ広場」「新大津駅」「北久里浜駅」などがかろうじて読みとれます。木製の案内板はこういうタイプもあったんですねえ。


大津諏訪神社
さて、コースは線路下をくぐって大津諏訪神社方面に向かいます。

以前は鳥居と階段の間が「大津4丁目チビッコ広場」というものになっていたようです。コースマップによるとここにも案内板があったようなのですが、現在は児童公園も案内板もなくなっていました。30年経ってるからなあ。しかたないですね。
ちなみに、この諏訪神社には以前紹介した千片神社が合祀されています。つまり概念的には、ここも「三浦義村の神社」と呼んでもいいはず(でも怒られるかも)。
三浦義村の神社についてはこちらをご覧ください。
「新大津」駅を経由して馬門山へ

コースはいったん134号線に合流してから「新大津」駅の前を通りすぎます。このあたりの住宅街に立派なピラカンサの木がある、とブックレットには書かれていたのですが、見つけられませんでした。秋には真っ赤な実がたくさんなるピラカンサ、もし見つけた方がいらっしゃったら教えてください!


馬門山(まもんざん)墓地は戦前に作られた海軍墓地です。現在も一部の墓所は一家のお墓として使われつづけているそう。実はこちらも初めて訪れます!

とくに案内板などは設置されていないようですが、緑が豊かな墓地ということでコースに選ばれたようです。中に入ってみましょう!

急な坂道と急な階段、どちらでも好きなほうを選べるようになっているこの心遣いがうれしい……んなわけはありません。がんばって上るぞ。

墓地らしく、静かでしんとした雰囲気が印象的です。秋が似合います。

頂上付近には少し開けた広場があります。ときたまお散歩している人がいる以外は人影がないせいもあり、やっぱり静謐な雰囲気。

グリーンウォッチングヨコスカの案内板は見つかりませんでしたが、いろいろな案内板があり、高低差もたっぷり(!)あり、静かに植物を楽しむのに良い場所でした。次に向かいましょう!

と、その前に根岸5丁目の交差点から馬門山を振り返ります。ぬっと斜めに突き出す松の木が印象的。馬門山ってこんなに国道134号線から近い場所にあったんですね。もう少し奥まっているところなのかと思っていました。
根岸公園(交通公園)

コースマップに従って根岸公園(交通公園)を目指します。途中にぽこりとあるお山がもと千片神社の裏山。

横須賀市で育った人ならだいたいおなじみの交通公園。公道を模した園路で交通ルールを学べる公園です。変わった自転車を貸し出してもらえるのがおもしろくて、子どものころはちょこちょこ遊びに来ました。コースマップによるとマテバシイの案内板があるそうですが……。



かなり良い状態で残っていました! 案内板、この形状は初めてな気がします。いろいろな形があったんですねえ。
しかしちょっと気になるのが、案内板の「実は大きく形もよいのですが、コジイやスダジイとくらべてあまりおいしくありません。」という文言。このあと別のコースを歩いていて気がついたのですが、どうもグリーンウォッチングヨコスカは木の実を食べさせたがります。どういう意図だったのか……。
ちなみにマテバシイはアクが少なく、軽くフライパンで炒るだけでおいしく食べられるそうですよ。
根岸第3公園

交通公園の向かいにある根岸第3公園にも案内板があると書かれています。ちょろっと寄ってみましょう。

バネのおもちゃみたいなカラーリングの遊具があります(調べたらおもちゃはレインボースプリングという名前らしい)。案内板は残念ながら見当たりませんが……。

道路から乗り上げる形になるので実際に車椅子の乗り降りでものすごく便利か、というとそうとも言えないかもしれない(車の形状によるかもしれない)のですが、身障者専用駐車場が整備されていました。これはポイント高いです。ちなみに根岸第3公園はトイレもちょっとがんばって整備しているらしく、比較的いろいろな人が利用しやすい公園になっているようです。
北久里浜駅〜根岸第4公園へ

交通公園と根岸第3公園の間にある商店街をまっすぐ進み、「北久里浜」駅前までやってきました。駅舎の左わきを曲がって、少し進んだところにある根岸第4公園がゴールです!

な、なんと、2022年11月中旬ごろまでの予定で工事中でした! まさかのゴール未達でフィニッシュです。フェンスから覗いてみたところ、かなりしっかり再整備している様子。グリーンウォッチングヨコスカの案内板、残ってても撤去されちゃうかなあ。どうかなあ。工事が終わったころにまた覗いてみたいと思います!
終わりに
というわけで、まさかの不完全燃焼で終了になってしまいましたが、グリーンウォッチングヨコスカの大津コースを歩きました。コース上にルートマップがあったことや、今まで見なかった形状の案内板があることが知れました。あとなぜかどんぐりが食品前提だったことも……。
ちなみに、このコースを歩ききったあと、昨年できたばかり、かつ根岸第4公園すぐ近くの香港カフェ「A Better Tomorrow」さんでお昼を食べようと思っていたんです。が、まさかの定休日変更でお休みでした。ちょっと悲しい終わり方をしてしまったので、景気づけに近くの壁に張りついているスパイダーマンを撮って終了に!

そういえば大津公園でウズラのたまご1個分のカロリーを消費したな……と思い出したので、お昼はウズラのたまごをトッピングできる「Tokyo Bay Fisherman’s Noodle」に変更しました。
