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【馬堀海岸】走水水源地から歩いて走水砲台跡を見学

以前に10,000メートルプロムナードを歩いたとき、旗山崎公園内にある走水砲台跡が見学可能になっていることに気がつきました。

ただし自由に出入りできるのは土日祝のみで、平日はガイドの予約が必要です。そこでお休みの日にあわせて訪問することにしました!

と、最近行ったような雰囲気を漂わせていますが実際の訪問日は2024年10月。記事の公開までに少し(いや、だいぶ)時間がかかってしまいました。当時閉校直前の走水小学校(2025年3月に閉校しました)のあたりは現在と少し変化があるかもしれません。あしからずご了承ください。

今回のお散歩ルート

走水水源地公園駐車場からは国道16号沿いではなく海岸に近い道を歩きました。部分的にGoogleマップに掲載されていない道があるのですが、地理院地図には載っていますのであわせてご参照ください。

出典:地理院地図

走水水源地から出発!

旗山崎公園には駐車場がないため、「馬堀海岸」駅方面からバスでアクセスするとすると「走水小学校」もしくは「走水上町」バス停で降りて少し歩くことになります。慣れた地元民ならともかく、少し遠方から遊びに来た人にとっては車がないとなかなか不便な立地。

とくに走水砲台は「よこすかルートミュージアム」事業のサテライトにもなっているわけですから、観光ついでに立ち寄る人にとっては駐車場情報も大切です。というわけで、今回は珍しく途中まで車で出向き、駐車場から歩いてみることにしました!

馬堀海岸遊歩道、通称マボチョクの終点からすぐのところに走水水源地公園があります。以前(横須賀市が生まれるより前なので、有史以前ということもできます)は水道水として利用されていた湧き水を今でも利用することができます。ここの駐車場に車を置きます。

駐車場は有料で、30分210円(24時間以内の最大料金あり)。まあまあの値段がします。二人以上で来るなら公共交通機関と比較しても悪くないって感じでしょうか。

ちなみに、走水水源地公園の最寄りバス停は「伊勢町」。馬堀海岸方面から見て、「走水小学校」のひとつ手前です。つまり公共交通機関を利用するより歩く距離が長くなってしまうんです。いいのか悪いのか……(お散歩としてはオールオッケーですが)。

ちなみに現地付近でGoogleマップを開き、駐車場を検索すると「走水漁港駐車場」が出てきます。駐められたら砲台までかなり近いのですが、残念ながら釣り客専用の駐車場なので砲台目的では利用できません。すごく残念! ルートミュージアム事業は横須賀市の肝いりだと思うので、ぜひアクセス面の向上も期待したいところです。

細い路地を歩く

走水の海岸線に沿って国道16号線が通っています。車を使うなら16号一択なのですが、徒歩なら別ルートも選択可能。ぷらからでは以前に16号を歩いたことがあるので、今回は途中まで路地を歩いていこうと思います。

高低差!

高低差、陸橋、工事中の擁壁、細い坂道。横須賀らしい要素満載のこの場所は、左手上方に16号線が走っています。今いる道が谷みたいになっているので、対岸にあたる敷地へ16号から出入りするために短い陸橋が渡してあるというわけです。

16号に比べれば急ではないものの、それなりにアップダウンのある道を行きます。

入っちゃダメだけど、中がどうなっているのかすごく気になる入口。

2023年11月撮影

しばらく行くと階段があります。上るとちょうど破崎緑地展望デッキのところ。うまくすると東京湾と夕日がセットで見られるスポットです。

2023年11月撮影

しばらく16号沿いに歩くと、また歩道は路地へと下っていきます。

閉校前の走水小学校サイン。

上り坂が見えてくると……

目の前が旗山崎公園です。

こちらにも走水小学校のサインがあります。正門に近いのはこちらの道。

海沿いにちょっと行くと、写真左奥に小学校の建物があります。

走水砲台跡(旗山崎公園)

旗山崎公園自体はばーんと広場があるだけのシンプルな公園なのですが、奥まで歩いていくとこんな案内が。

走水砲台の説明、見取り図、そして開門時観と注書きがまとまっています。さっそく入ってみましょう!

園路はしっかり整備されているので普通の歩きやすい靴があれば十分です。

立派な木がたくさん育っていることにまず気を取られてしまいます。でもそれっぽい(砲台っぽい)ものも見えてきましたね!

ショートカットは禁止されていました。

入口とはまたちょっと内容が変わった案内板。この場所にはもともと4基の砲台があったそうです。

遺構は入れる場所とは入れない場所があります。こちらはガイドさんなしでは入れないほう。

石積みのすきまから果敢に生える植物たち。立派なものです。

こちらが入れるほうの遺構。

一見して「『ちいさいおうち』みたいだな」と思ってしまったもののこれはれっきとした戦争遺跡です。でも似ていますよね。ちょっと複雑な気分です。

どこかの古いワインセラーだよ、といわれたら信じてしまいそうな造り。

あまり軍事に関心のない方には、表情豊かな散策路として楽しめそうです。

坂道を上りきった先が砲台です。

真ん中の丸いところに砲身が据え付けられていました。砲身は残っていませんが、それ以外の遺構はかなりきれいに保たれている印象です。

階段を上ると、眼下には走水の海が。

防衛拠点だから当たり前なのですが、本当に眺めがいいです。平日に入れないのがもったいなく思ってしまいます。

敗戦まで東京湾にあった砲台が地図上にマッピングされていました。砲台があったということは一般人は立ち入りができなかったということで、市内にある海岸線のかなりの部分が封鎖されていたということになります。現代からではちょっと想像がつかないですよね。

切られてなお生命力を感じさせる木。チェーンが掛かっている先はガイドさんと一緒なら立ち入りできるそうです。

ひと通り見学し、駐車場に戻ります。行きとまったく同じ道だとつまらないかな……と思い、走水小学校のほうに行ってみました。

向かって左側の道路、通れるのかな? と思ったのですが、途中で舗装路は終わっていました。細い通路はあったのですが、「小学校の敷地なので入らないでください」という立て札が。ほんのちょっとだけ小学校に侵入すれば反対側の道に出られそうだったのですが、残念でした。

そんなようなわけで、同じ道をたどって戻ります。帰りには丸良水産に立ち寄って海苔のラスクなどをゲットしました。

赤星友香

横須賀ぷらから通信主宰。クロシェター / ライター。普段はpiggiesagogoという屋号で編み図を作ったり、別館1617という自主レーベルで本を作ったりしています。横須賀育ちの北関東在住で、わりとつねに三浦半島に行く口実を探しています。

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