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【京急田浦】浦賀道の難所『がらめきの切通し』をゆく!

江戸時代、浦賀には奉行所(ぶぎょうしょ=現代でいうところの役所)がありました。現在の横浜市保土ケ谷区にあった保土ヶ谷宿(ほどがやじゅく)と浦賀を繋いだ道を「東回りの浦賀道(うらがみち)」、横浜市戸塚区の戸塚宿(とつかじゅく)と浦賀を結んだ道を「西回りの浦賀道」と言います。

『浦賀道』を歩く

この2つの宿場町は、当時の幹線道路である東海道(とうかいどう)沿いにあり、周辺の村々へ続く道が集約するターミナルでもありました。その重要な町と奉行所がある浦賀を繋ぐ道を整備することで、行き来しやすくしたのです。

東回りの方が道が険しく、その最大の難所が現在の塚山(つかやま)公園付近にある「十三峠(じゅうさん とうげ)」です。十三峠は以前Takechingさんが歩いて紹介してくれています。

今回浦賀道の中でその十三峠に次ぐ難所とされる「がらめきの切通し」に挑戦してみました!

今回のおさんぽコース

がらめきの切通し - Google My Maps

京急田浦駅で下車。新浦郷隧道の横からがらめきの切通しに向かいます。さらに山道を下って浜見台から追浜駅方面へ。

京急田浦駅を出たら左……追浜方面へ。歩道橋かこの先の横断歩道で向こう側に渡りましょう。

トンネルの手前にある階段を登ります。

わりと長い階段です

私が行ったとき、ちょうど郵便屋さんが階段の上にあるおうちに手紙を届けてましたが……住んでいる人も郵便屋さんも健脚ですね……。

登り切った先にも、さらに階段が。

ここを……!?

その先にある山道を登り……。

ちょっととんでもない道に来たのでは……?

突き当りを左に向くと、「がらめきの切通し」です。

突然現れる切通し

朝比奈の切通しには何度か行った事はありますが、それに勝るとも劣らない迫力! この岩を人の手で切り開いたと思うと……こう、熱いものがこみ上げてきます。

風情のある苔むした岩肌

駅から歩いてすぐということも考えると、おススメできる「歴史スポット」ですね。(入口の階段がちょっとハードでしたが)

ちなみに写真の案内に書いてある「船越(ふなこし)」は京急田浦駅周辺の地名で、ここから追浜方面に向かいます。

がらめきの切通し

切通しとは、山や谷を部分的に削って作った道のことです。鎌倉付近に多く残っています。鎌倉周辺の切通しは駅から少し歩きますが、こちらにはこんな駅の近くにも残っているんですね。

「がらめき」はおそらく、古語の「がらめく」のことだと思われます。がらめくとは、ガラガラと大きな音が鳴る様子を表す言葉です。一体何がガラガラしていたんでしょうか。もしや、がけ崩れが……? 

でも、結構人の手が加わっているので、現代ではがけ崩れの心配はなさそうです。

あと他にも「がらめき杖」というガラガラ音が鳴る杖があるそうです。錫杖みたいなものでしょうか。難所ゆえに修行者も錫杖をついて登った……とかそんなイメージもありそうです。

味のある案内板

案内板にはがらめきの下に何か漢字が書かれていますが、読み取れませんでした。赤い塗料は劣化しやすいので案内板を作る時は気を付けてくださいね!

ちなみに浜見台(はまみだい)はマンションが立ち並ぶ住宅地。鷹取山(たかとりやま)は切り立った岩山が特徴的な採石場跡です。

帰り道、今回は浜見台に向かいます!

ここから先は道もきれいに整備されていて緩やかな坂で下って行くので、歩きやすかったです。

尾根道

ハイキングコースになっているため、わりと人とすれ違いますので、あまり心細さは感じませんでした。

周りは木々に覆われているので景色は見えませんが、意外と日当たりが良く明るい道です。歩いていてとても気持ちよかったです。

10分ほどで浜見台に出ました。江戸時代には難所と言われた道ですが、現代ではちょっとした散歩コースですね。文明の発展に感謝!!

プラスのぷらり

せっかくなのでこのまま追浜駅に向かいましょう。

目の前にある第二浜見台隧道を通って、道なりに進みます。

突き当りにあるのは「追浜東町1丁目第5公園」。入口から見ただけで、なんとも見晴らしのよさそうな公園!

実際に足を踏み入れるとこの通り。八景島がハッキリ見えていて、海風を感じました。

公園を出て右へ曲がり、坂を下って行きます。下り切った先の十字路を左へ。

そこからまっすぐ進んで突き当りから商店街に出ます。

左に行くと、追浜駅です! 追浜駅の近くには、このあたりの領主だった戦国武将・朝倉能登守(あさくら のとのかみ)のゆかりの寺社があります。

なんだか、山道を歩くより、住宅地を追浜に向かう方が時間がかかっている気がしますが、普通の運動靴でも行ける初心者ハイキングコースなので、これからの行楽シーズンにはピッタリですね!

<meta charset="utf-8">樽瀬川 真人
樽瀬川 真人

三浦半島の付け根で生まれ育ち、地元の歴史を調べていたらいつのまにか鎌倉時代の三浦の海の底にいた。 

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