Apple musicで「横須賀 ヨコスカ YOKOSUKA」という名前のプレイリストを作っています。
タイトルや歌詞に「横須賀」もしくは横須賀市内の地名が明記されているもの、またアーティスト本人等が横須賀についての楽曲であることを明言しているものを集めて、基本的にリリース順で並べています。『横須賀ストーリー』のようにたくさんのアーティストがカバーしているものは、基本的にオリジナルのもののみ入れています。
とはいえサブスクリプションサービスだけでプレイリストを作るのにはやや限界があり、たとえば團伊玖磨の「組曲横須賀」がないなどはどうにかしたいところです。それ以外にも1960〜70年代の楽曲は配信リリースがされていないものが多く、存在は確認できているもののプレイリストに入っていないものがちらほら。逆に最近の曲は基本的にデジタルリリースするのが当たり前なので、とくに2010年代以降の楽曲数はかなり多いです。
というような欠点はありつつも、しかし並べて聞いてみるとなかなかおもしろい。音楽の中で横須賀ってこんなふうに描写されているんだなあ、ということが部分的にでもわかります。
ただ、プレイリストを作りはじめたころに想定していなかったことがひとつだけあります。曲数が多すぎる……! 「せいぜい50曲くらい集まればいいかな?」という軽いノリで始めたんですが、とんでもありませんでした。2023年10月現在で楽曲数は205曲、総再生時間は13時間を超えています。1日のうち起きている時間ずっと流し続けてないと聞き終わらない。聞くだけでけっこう大変なことになっているのですが、Apple musicをお使いの方はよろしければぜひご利用ください。
プレイリストで散歩をしたい
さて、ぷらからとしてはプレイリストを作ったからにはそれで散歩をしたいのです。しかも200曲以上もあるとなれば、特定の散歩コースに合わせた楽曲を組むことも可能なのでは? という気がしてきます。
というわけで、今回は横須賀をテーマにした楽曲の中でも取り上げられることの多い地域を歩いていきます。具体的には逸見から三笠公園くらいまでの海岸沿い、米軍基地(ベース)を中心としたエリアです。おおよそ国道16号線に沿ったルートです。前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、行ってみましょう! (追記:ちなみにお散歩中に耳を完全にふさいでしまうと危険なので、外の音が聞こえるイヤフォンを使って音楽を流しました。)
記事中の楽曲は、公式動画がある場合はYouTube、ない場合は無料で利用できるSpotify(アカウント登録が必要です)を貼り付けてあります。記事全体のプレイリストは末尾にリンクしましたのでそちらもご覧ください。
トンネル抜けても海が見えない

ルートの都合上、今回は京急の「逸見」駅から歩くことにしました。出口に面した道を国道16号方面へとてくてく歩きます。

「すこやかん」「まなびかん」など横須賀市の施設が集まっている「ウェルシティ」前に出てきます。ここで16号を渡り、右折。
ちなみにこの交差点にパトカーが写っています。地元の友人によるとここは違反切符を切るためのねずみ取りスポットとのこと。車でご通行の方はご注意ください!

しばらく歩くとコンクリートレリーフが目を惹く横須賀隧道があります。この場所で左折するとJR「横須賀」駅に行けますが今回は直進します。さて、それではこの場所でプレイリストの再生を始めましょう!
『タイガー&ドラゴン』(クレイジーケンバンド)
同名のテレビドラマも生んだクレイジーケンバンドの名曲『タイガー&ドラゴン』(2002年)からスタートです。この楽曲で「クレイジーケンバンドって横須賀のことを歌うバンドなんだ」って知った人も多いのでは。
国道16号線をドライブして横須賀にやって来る光景が描かれるこの楽曲。歌詞の最初で「トンネルを抜けたら海が見える」ことが描写されます。横山剣(以下すべてのアーティストさんのお名前は敬称略とさせていただきます。あしからずご了承ください)のインタビューによると、このトンネルがまさに横須賀隧道のことなんだそう。

トンネルを抜けたら海が見えるのか、聞きながら気分が高まっていく……のですが。

なんと、海が見えるいちばんいいスポットには歩道がないんです。歩道は高架になっている部分の手前で途切れて、階段で横須賀駅方面に降りていくようになっています。なんてこった。
『ヨコスカ慕情』(クレイジーケンバンド)

しかしがっかりするのはまだ早い。今抜けてきたトンネルを振り返ると、斜面に張り付くようにして階段が伸びているのが見えます。「一国坂」です。ここを上れば海が見えるんです。次の曲をプレイしましょう!
こちらもクレイジーケンバンドの楽曲『ヨコスカ慕情』(2020年)です。病み上がりの主人公が破れた恋を思いながら長い階段を上ります。海が見たいんです。


実は『ヨコスカ慕情』、よくよく歌詞を読み込むともしかしたら舞台が横須賀じゃない可能性もうっすらとあります。それに、主人公が上る階段もどこにあると明言されているわけじゃない。なのでここでプレイするのはやや反則なのですが、ご紹介したい理由がありました。
一曲前の『タイガー&ドラゴン』は和田アキ子をイメージしながら作った楽曲なのだそう。ボーカルスタイルも和田アキ子をイメージしているのが聞くとわかると思います。同じように、『ヨコスカ慕情』も特定のアーティストをイメージして作られた曲なんじゃないかな? とわたしは勝手に思っているんです。なので『タイガー&ドラゴン』のあとに持ってきてみました。お聞きになって、みなさんはどう思われましたか?

ちなみに一国坂は「トンネルにえんえんと張り付いているヤベエ長さの階段」みたいな感じで紹介されることがままあります。が、横須賀の人からすると「まあこんなもんでしょ」という、比較的上りやすい(あくまで横須賀の人基準で)階段でした!



ちょうど16号をバスが進んでいっています。あのバスからは今海が見えているはず。自動車だけに許されたオーシャンビューなのでした。
横須賀駅へ
海が見えたことに満足し、一国坂にバイバイ。歩道から先ほどの階段を下りて横須賀駅方面へ向かいます。


横須賀駅のロータリーをぐるりと回りながら、次の楽曲をポチっ。
『もう一人の私』(石嶺聡子)
シンガーソングライター石嶺聡子のファーストアルバムから『もう一人の私』(1995年)です。石嶺聡子は映画『ひめゆりの塔』主題歌となったカバー曲『花』が有名だと思います。
『もう一人の私』の2番のサビでは横須賀駅から「海岸通り」を歩いていく「私」の心情が描写されます。

楽曲リリース当時にはまだ臨海公園という名前だったヴェルニー公園。ここを「私」は歩いていったのだと思います。港の船を見ながら素敵な夜だなあと歌う楽曲。

公園はとてもきれいになりましたが、港の風景はそこまで大幅には変わらないですね。
さて、ここから先、なぜか舞台が夜の楽曲が増えます。
『白い部屋』(吉田拓郎)
『もう一人の私』が夢見心地の恋の歌な一方、対照的ないきどまり感が印象的なのが次の楽曲です。横須賀の港には空母ミッドウェイが入ってきて、デモ隊もいたりするんだけど、それもテレビの中のできごと。この白い部屋に君といれば幸せだよね、という歌詞の『白い部屋』(1981年)。厭世的ともちょっと違う、かといって楽天的なわけでもない、ある意味自暴自棄ともいえる内容にちょっと驚く楽曲です。
ミッドウェイはベトナム戦争から湾岸戦争に参加していて、横須賀を母港とした最初の空母でもあります。背景にはベトナム反戦運動があり、その後の経済停滞により基地のまちとしての横須賀の繁栄が終わりを迎えつつあったという事情もありました。
発表された年代を重ね合わせて考えると、『白い部屋』の「僕」の語りはいわゆる「しらけ世代」の雰囲気だったんでしょうか。それともそういう時代の雰囲気に対する批判的な視線をも含んでいるんでしょうか。
ちなみに作詞は松本隆で、この楽曲が入った『無人島で…。』というアルバムの表題曲も作詞しています。「砲台がある無人島」が舞台で、何となく猿島のことを連想してしまいます(猿島だと明言されているわけではありません)。

『Yokosuka rhapsody』(Forutune D)

このままヴェルニー公園を突っ切って国道16号線に戻ろうと思います。次の楽曲をどうぞ。
横須賀を拠点に活動するアーティストFortune Dの自伝的な楽曲『Yokosuka rhapsody』(2018年)です。初めてどぶ板通りでライブをした夜、怖くてヴェルニー公園に逃げ込んでしまった心境が描かれています。

公園が逃げ場になるの、いいですよね。だれでもふらっと来てふらっと出ていける場所としての公園、すごく大事だと思います。
『Yokosuka rhapsody』は横須賀という基地のまちならではの音楽的キャリアと、その環境に対する一言ではすまない複雑な視線が込められています。好きとか嫌いとか、いいとか悪いとかそんな簡単に割り切れるものではない地元への思い。だからこその「rhapsody=狂詩曲」なんでしょう。
あと声がめちゃくちゃすごいですよね。一度聞いたら忘れられない声。
どぶ板 ≒ HONCH

ヴェルニー公園を出たところで汐入駅前の歩道橋を渡りまして、国道16号線から一本裏通りに入ります。どぶ板通りです。
どぶ板通りについての楽曲はたくさん、たっくさん、もう本当に数えきれない(というのはおおげさですが)ほどありまして、古いものだと(楽曲中では明言はされていないものの)ダウンタウンブギウギバンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』だったり、横浜銀蝿の『横須賀Baby』だったりとどんどん挙げられます。しかし今回はちょこっと違う視点から見てみようと思います。
“Honch Nights” (Markus Milanes)
米軍横須賀基地(ベース)に勤務する兵士の目線でどぶ板通りの夜が描かれた『Honch Nights』(2021年)。Honchとはどぶ板通りがある本町(Honcho)の略で、ベースにお勤めのみなさんはどぶ板通りのことを「Dobuita」というよりは「Honch」と呼ぶことが多いようです。まあおそらく英語圏の人に「Dobuita」はめちゃくちゃ発音しにくいですよね……。
さて、動画サムネイルに使われている「HONCH」ですが、何か記憶に引っかかる方はいらっしゃるでしょうか。

なんと、どぶ板通りに実在するサインなんです。

ここはローソンやバーミヤンをはじめとしたお店が入っている「ベイスクエアよこすか三番館」です。

共有通路に掲示してあった見取り図を見るかぎり、ベイスクエアよこすか三番館のテナント部分が「HONCH DOBUITA WEST」なんだと思います。実際にあるサインはだいぶ色あせてしまっているのですが、その雰囲気までロゴとして落とし込まれていておもしろいですね。
ちなみにこのテナント一覧はかなり古いもの。おそらくベイスクエア開業時から変わっていないんじゃないかと思います。現在とは異なりますのでご注意ください。
『Honch Nights』には仕事のキツさを吹き飛ばすように飲み歩く主人公の姿があります。本町と汐入に実在するバーの名前がふたつほど歌詞に登場しています。ぜひ探してみてください。
“The Honch” (Jesse Flood)
次の曲は、厳密には曲ではありません。Markus Milanesと同様にベースで兵士として働いていたJesse Floodという人の自伝。2022年にリリースされたオーディオブック的なアルバムの中の1節です。ご本人は音楽活動をしているようなのと、こういうのもおもしろいかなというのがあって選んでみました。
Jesse Floodはどうやら憲兵隊としてのお仕事をしていたようで、どぶ板通りの夜をしらふの視点で語っているのが特徴的です。だいたいみんな酔っぱらってますからね、夜のどぶ板。

お話の内容はまだ6割方しか聞き取れていないのですが、路上の小競り合いを中心に印象に残っていることをいくつか挙げています。最初はベースのゲートを出て16号を渡り、どぶ板通りに入っていくところから始まっています。
90’s HONCH (Rickie-G)
日本人アーティストもどぶ板のことをHonchと呼ぶことがあります。次の楽曲はRickie-Gの『90’s HONCH 』(2020年)。タイトル通り、どぶ板で過ごした90年代、青春時代についての曲です。
カラッとしたギターの音がいいですね。レゲエは夏のイメージが強いですが、日本の夏はじめっとしているのでこんなさわやかな雰囲気にはなかなかなりません。ならないからこそいいなあ。
さて、ここでもうひとつ元ネタ探しを。
この曲のサムネイルもなにかこう、既視感を刺激してきませんか? 横須賀の人ならぱっと見で「どぶ板っぽいなあ」と思うんじゃないかなという気がするのですが、どぶ板にこういう建物はない。

さてさて……と見回してみるとバー「ROCK CITY」の外観が目に入りました。おっ?

わあ、このライトだ!

お向かいにはカントリーバーの「GEORGE’S」が。あ、この感じ!
まさにここ、という場所はないものの、どぶ板のいろんな風景をミックスして作られているようです。改めて見比べてみると、道の舗装なんかはまんまどぶ板ですね。窓の中にはコロナビールのネオンサインっぽいものも見えます。
Dobuita Street (HCMJ)
どぶ板通りの最後に、ちょっと静かなアンビエントを。この『Dobuita Street』(2006年)という楽曲は横須賀のことだと明言されているわけではないのですが、英語圏のレビューサイトで ”Dobuita Street” といえば横須賀のどぶ板通りのことなので、たぶん間違っていないと思います。
三笠公園へ

もう一度国道16号線に出てきて本町一丁目の交差点で横断歩道を渡ります。写真は渡ったあと振り返ったところ。ここで次の楽曲を再生しましょう。
『Yokosukaルール』(本田美奈子)
本田美奈子の楽曲、『Yokosukaルール』(1986年)です。作詞は秋元康。
ベースの付近をうろうろして「入るなと書かれてる金網」の向こう側にはいいことがありそう! 忍び込んじゃえ! というとんでもない歌詞の曲です。へたしたら殺されちゃうよ!(記事を読んでいる皆さんはぜったいにまねしないでくださいね)

先ほど横断歩道を渡った本町一丁目交差点の奥にはすぐベースの敷地があります。


当時の本田美奈子はほかのアイドルとの差別化のために過激路線を歩んでいたと聞きますが、なんというかこう、マスマーケットで売るために「社会や常識への反抗」みたいなポーズを取らせること、やや釈然としないものがあります。
ちなみに秋元康は横須賀になんらかの思い入れがあるよう。本田美奈子以外にもとんねるずやAKB48などに横須賀を舞台とした楽曲を提供しています。
Reprise: 『タイガー&ドラゴン-完全版-』(クレイジーケンバンド)
またかよ! と思われるかもしれませんが、ここでもう一度『タイガー&ドラゴン』を。こちらは最初のリリースから5年経った2007年に出た「完全版」です。録音は同じですが、昭和の音楽番組風なイントロがつけ加えられています。アウトロもフェイドアウトではなく最後まで聞くことができますね。
曲中の「俺」はトンネルを抜けて海を見たあと、16号を運転して「ドンツキ」にある三笠公園までやってきます。そこで旧友であり、おそらく因縁の中と推察される「お前」と待ち合わせをしているわけです。

16号を少し進み、ベースの三笠公園ゲートがある場所で一本左に入りましょう。

曲中世界とそぐわない穏やかな写真を一枚。
しばらく歩いていくと、「ドンツキ」に三笠公園があります。

三笠公園はわりと最近歩きました。公園の奥にある音楽噴水が廃止になってしまったので、記録として動画などを撮っています。
今日のコースは、このときに歩いた10,000メートルプロムナードをほぼなぞっています。でも視点が違うと印象が変わりますね。まち歩きはこういうところが好きです。

さて、『タイガー&ドラゴン』では「お前」が愛した横須賀の海は「ドス黒く淀ん」でいると描写されています。ただ……

三笠公園付近は船が通らないこともあって、わりと海の透明度が高いんです。

こんな感じ。
水が淀むには、船のスクリューなどで海底の泥なんかがかき回される必要があります。なので港のほうに行ってみましょう。

ついでに次の曲をプレイ!
『愛情パズル』(渡辺真知子)
横須賀が生んだシンガーソングライターの渡辺真知子。ファーストアルバム『海につれていって』(1978年)に入っている『愛情パズル』は「三笠港」に夕陽が沈む風景から始まります。
おそらく三笠港は三笠公園横にある三笠ターミナルのこと。現在は猿島への船がここから出ています。

……横須賀市の本庁地区は三浦半島の東側にあるので、厳密には日が沈みません。ので歌詞の描写はちょっと不自然なのですが気は心。そこはイメージで乗り切りましょう。渡辺真知子はこの曲以外にも東京湾側に夕陽が沈む描写をすることがあるので、夕焼けの反射のことをそう歌っているのかもしれません。

通常、東京湾側の日没時はこんな感じですね。この写真は深田台にある平和中央公園から撮ったものです。
さて、三笠ターミナルに話を戻します。この場所なら水もいい感じにどす黒く淀んでいるはず! と覗き込みます。すると……!

「電気海月」だ!(詳しくはぜひ歌詞をお読みください)
一般的には「電気クラゲ」は猛毒のカツオノエボシのことを指すのですが、カツオノエボシってあまり丸くないので月っぽくない気がします。というわけで、実際に浮いていたのはミズクラゲですが歌詞世界になぞらえてみました。
そして思ったより海は黒くありませんでした。緑色に近い感じですね。ふむ……と思って、以前撮った横須賀の黒い海に浮かぶ月の写真を探してみました。

これは大滝町某所から撮影した月の出です。さすがに夜の海は黒い。そうだとすると、これまで聴いてきた楽曲と同様に『タイガー&ドラゴン』の舞台も夕方から夜にかけてなのかもしれないですね。
『タイガー&ドラゴン』と『愛情パズル』の話をまぜまぜしながら歩いてしまいました。『愛情パズル』に戻りますと、曲中には「裏町通り」という名前でどぶ板通りが出てきます。「ペコペコサンド」はどぶ板に当時あった「ペコス」というお店のサンドイッチのことだそう。実物の写真が「月刊マイハッピーライフ」という占い雑誌の創刊号に載っているそうで、近いうちに誌面を確認したいなと思っています。
横須賀中央駅へ

三笠ターミナルからすぐ、三笠公園の入り口そばにある「福cafe」(以前は「ポットラック」というお店だったところです)でお昼ご飯をいただいて横須賀中央駅へ向かいます。次の曲にいってみましょう!
“Yokosuka-Chuo” (Tarik)
今回のプレイリストでは唯一完全インストゥルメンタルの楽曲です。このアーティストさんの情報があまりインターネット上にないのですが、おそらく日本にある程度滞在していたことがあるんじゃないかと思います。
ちなみに今日は「逸見」「汐入」の駅前を歩いて「横須賀中央」駅へと向かっていますが、前ふたつが町名なのと違って「横須賀中央」という地名はありません。なのでどのあたりを横須賀中央と呼ぶのかは人によって変わってくると思うのですが、三笠公園から横須賀中央駅へ歩いていくあたりは横須賀中央と呼んで差し支えないでしょう。

途中で市役所前公園のわきを通りすぎました。横須賀市はこの場所を民間事業者に貸し付けて、商業施設をつくる計画を持っています。商業施設の上に公園がある、渋谷の旧宮下公園タイプの公園ですね。ただ事業者のほうが「今は難しい」という姿勢になってしまったらしく、計画はしばらく延期とのこと。
記事の最初のほうにも書きましたが、公園というのは誰でもふらっと入ってふらっと出ていけることが大事だと思っています。商業施設化することで公園の機能が失われないといいのですが、どうでしょうか。
ただ、市役所前公園はそもそも第二次世界大戦中の建物疎開でできたのだそう。つまり昔はこの場所にもお店や家がひしめいていたのです。だからもう一度ここを商業施設に戻したい、と思う人がいるのも、また無理はない話なのかもしれません。
市役所前公園の来歴については『軍港都市 横須賀・下町地区の都市形成』で読みました。
さて、そうこうしている間に横須賀中央駅に着いてしまいます。最後の曲です!
『ハレルヤ横須賀』(DUCK TAILS)
「ヨコスカセンターステイション」として横須賀中央駅が登場する『ハレルヤ横須賀』。センターステイション! そう来たか! っていう呼び方ですね。
DUCK TAILSも横山剣がやっていたバンドです。この楽曲の歌い方は少し横浜銀蝿に寄せてきているような印象を持ちました。
DUCK TAILSの活動時期はクレイジーケンバンドよりもずっと前なのですが、音源としてのリリースは2005年。『ハレルヤ横須賀』はこの後に続く『本牧’66』とメドレーになっていて、単体で聞くとちょっと尻切れトンボな感じになってしまいます。ここでプレイリストをループ再生してもらって、すぐに冒頭の『タイガー&ドラゴン』に戻ると…… ベースの入りがいい感じにつながるんですよ。ぜひ試してみてください!

本日のプレイリスト
というわけで、1時間弱のプレイリストに合わせて本庁地区を歩きました。お疲れさまでした! 本日のプレイリストはApple Music・Spotify・Youtube Musicそれぞれで公開しています。ぜひお使いのサブスクサービスで聞いてみてくださいね。
Apple Musicは有料サービスです。Spotifyは会員登録のみで無料利用ができますが、プレイリストやアルバムはシャッフル再生しかできません(曲順での再生は有料会員のみ可能です)。Youtube Musicはスマートフォンではアプリとログインが必要ですが、ブラウザ版ではログインなしで利用することができます。YouTubeと同様、広告が入りますが無料で利用できます。
Apple Music
Spotify
Youtube Music
Youtube Musicには『Yokosuka rhapsody』が入っていません。また、『愛情パズル』はYouTube動画を使用しています。
横須賀と音楽あれこれ
2023年11月、横須賀市が音頭を取るかたちで「YOKOSUKA ROCK’N ROLL FESTIVAL」というイベントが開催されます。ヘッドライナーはなんと横山剣。横須賀プレイリストを聴いていただいてから参加するとより楽しめる……かもしれません。
さすがに本庁地区ほどの曲数はないのですが、横須賀市内の別の場所も同じようにプレイリストを作って歩いてみたいと思っています。次回は久里浜〜野比の予定です。
音楽と横須賀については視点の違う記事がいくつかあります。こちらもぜひ!