横須賀ぷらから通信は「【プラ】ス1時間ここ【から】歩く」をテーマにしたお散歩メディアです。

【三崎口】梶の浜から馬の背洞門経由で城ヶ島西岸を磯伝いに歩く

FISHSTANDの取材を終え、教えていただいた城ヶ島のおすすめ散策コースを訪ねてみました。フォトスポットとして有名な馬の背洞門を中継に、城ヶ島西側の磯伝いを歩く1時間ほどのコースです。

取材時は2月半ば。冬の終わりということもあり、とにかく澄んだ海がきれいでした。どの季節でも楽しめそうなコースですが、満潮時はちょっと歩きにくいかも。そこだけご注意の上、ぜひお出かけください。FISHSTANDの記事もご一緒にどうぞ!

今回歩いたルート

城ヶ島の磯伝いを歩く - Google My Maps

半鐘のある交番で右に曲がるとFISHSTAND。今回はこの道をまっすぐ進み、散策スタートです。最寄りのバス停は「城ヶ島漁港前」ですが、終点「城ヶ島」バス停まで乗っていってしまうのもよし。

梶の浜

お土産屋さんが並ぶメインの商店街
突き当たりまで進むと、海です
「ダイビングエリア」の表示が

「城ヶ島ダイビングセンター」のウェブサイトによると、ここは「梶の浜」というスポットだそう。初心者向けということで、ダイビングを習いに行ったらまずはここから始まるのかもしれませんね。

ダイビングポイント案内 | 城ヶ島ダイビングセンター – 城ヶ島ダイビングセンター
ダイビングポイント案内|東京都内から90分の「城ヶ島ダイビングセンター」は体験ダイビングやPADIのCカードダイビングライセンス取得、ボートもしくはビーチでのファンダイビング、ステップアップライセンスの取得が可能です。
ひょー、めっちゃきれい!

写真はちょっとだけ明るくしましたが、ほぼ加工なしです。ほんとにこの色、めちゃめちゃ水が澄んでてきれいです。水面がきらっきら!

駐車場にある自販機は京急バスラッピング。バスをラッピングではなくてバス柄のラッピング

浜のすぐわきは駐車場。数年前にできた「城ヶ島RVステーション」という車中泊スポットもこちらにあります。

【現在準備中】城ヶ島シーサイドRVステーション|神奈川県三浦市三崎町城ケ島|キャンプ場・車中泊スポットが探せるスペースシェアはCarstay
【現在準備中】城ヶ島シーサイドRVステーション|神奈川県三浦市三崎町城ケ島|キャンプ場・車中泊スポットが探せるスペースシェアはCarstay

商店街をさらに奥へ

さて、商店街をさらに南へと進みましょう。途中、旧城ヶ島京急ホテルへと続く遊歩道があります。

この路地で曲がります
城ヶ島らしい岩礁の風景
どこを切り取っても美しい
ホテルの建物は解体が進んでいました

遊歩道は途中まで歩くことができますが、解体工事のため行き止まりになっています。以前はここをぐるっと回って城ヶ島灯台まで行くことができたはず。また歩ける日を楽しみにしています。

城ヶ島灯台へ

商店街からは階段で上ります

商店街に戻り、城ヶ島灯台を別ルートで目指します。といっても歩いてすぐ。右手に見えてくる階段から上ります。

横須賀の天神島で知られるハマユウ、三浦市でも市の花として大切にされているそうです
市の鳥はウミウ
急に南欧風
空がすっこーんと青いのも南欧風?

階段を上った先は城ヶ島灯台公園。公園とはいいますが、現在ではモルタルを流した広場があるのみです。広々とはしているんですが、なんともトンビに狙われそうなロケーション。

水仙が育ちつつあります

灯台の手前には水仙畑が作られていました。

城ヶ島灯台は見るだけ

周囲は植栽に囲まれているので見晴らしは望めませんが、少し先に進むと展望台があります。久しぶりに訪れたらなにやらウォールデコが増えていた城ヶ島灯台。ご健勝そうで何よりです。

ぼんやり下りていたら危なかった

灯台からの帰り道、ぼんやり階段を下りたまままっすぐ進んでいたら危うく擁壁から落ちそうになりました。左が今の階段。右は恐らく昔は階段だった場所なのですが、現在は崩落があるらしく立ち入り禁止……のロープが張ってあった痕跡……があります。お気をつけください。ちょっと怖かった。

磯につきました

再び商店街を南に進むと海沿いに出ます。ここから先は岩礁地帯を歩きます!

太陽光が小波に反射して海が輝いています

三浦市の引橋以南は関東大震災の際に海岸線がかなり隆起した、と以前地震工学の専門家から聞いたことがあります。城ヶ島も例外ではないそう。中世から景勝地として知られていたこのあたりですが、当時と今だと風景はかなり変わっているんでしょうね。

丘の稜線も好きなんです

しばらく岩礁地帯を歩くと、馬の背洞門が見えてきます。

わかります?
入り江の向こうの岬の先っぽです
しかし雄大な眺めです

馬の背洞門だー! となってはいるものの、今歩いている場所自体がとても魅力的なのでついつい足を止めてしまいます。隆起と海水の浸食を繰り返したと思われる不思議な地形が波で洗われている光景は見飽きないものです。

ついでにちょこっと貝拾い

面積は狭いのですが、ほぼ貝殻でできた浜があります。微少貝探しにはもってこい。

遠くには伊豆大島が見えます

馬の背洞門

てくてく歩いて馬の背洞門までやってきました。海水の浸食が長い年月をかけて作り上げた洞穴です。いいお天気なので空と海、影のコントラストがとてもいい感じ。

馬の背洞門 | みうら観光ガイド

じっくり見ていて気づいたのですが、馬の背洞門のかたちって城ヶ島に似ていますよね。

これが馬の背洞門
これが城ヶ島(出典:地理院地図

馬の背洞門の下が安房崎、右手が遊ヶ崎、上が長津呂崎……に見えません? 偶然でしょうけどおもしろいものです。

公園内の遊歩道へ

馬の背洞門の上

ここまで磯伝いに歩いてきましたが、馬の背洞門の先は回り込めないので階段を上って城ヶ島公園内の道へ入ります。

この浜に下りられる道がありました
ずんずん
赤羽根海岸です

この断崖絶壁が三浦市の鳥・ウミウにとってかっこうの営巣地である、ということをあとで知ります。

ねこ

赤羽根海岸から上に戻ってくると、ねこに会いました。

ついてくるついてくる

普段は少々思うところがあってのらねこに会っても記事には載せないのですが、城ヶ島はTNR(Trap:捕まえて、Neuter:避妊手術をし、Return:元に戻す。のらねこの数を増やさないための取り組み)を積極的に行っている観光地なのでご紹介します。このねこさんも避妊手術済の証=片耳カットをしてありました。

しばらく歩くとウミウの像がありました
ウミウの営巣地についての解説
写真を撮っている間のねこさん。待たれていました

ウミウなんかどうでもよろしいがな、という雰囲気でわたしのことを待っていたねこさん、このあともついてくるついてくる。

公園駐車場前の道路まで出てきました

このあとねこさんは道を突っ切って写真奥に見える駐車場のほうへ去って行きました。どうやら一緒に戻ってくれる人を探していた模様。人慣れしてるなー……。

「白秋碑前」バス停はトンネルをくぐり、駐車場を突っ切ったところにあります

さて、城ヶ島公園内の散策はこれにておしまい。ちなみにウミウの営巣地より先、安房崎方面は以前樽瀬川さんが歩いた記事がありますのでぜひご覧くださいね。

白秋要素をちらりとプラス

バスに乗って帰る場合はここでおしまい、なのですが、せっかくなので歩いて城ヶ島大橋を渡り、北原白秋的要素を加味してみようと思います。北原白秋と三崎の関係についてはこちらの記事もどうぞ。

通行料が無料になった城ヶ島大橋。歩いて渡るのは初めてです。どんな感じなんだろ?

雲が増えてきました

橋の真ん中あたりはフェンスがなく、見晴らしを楽しめます。

何かの遺構が

城ヶ島大橋ができたのは戦後なので、北原白秋の時代はここを渡し船が通っていました。こうやって見ると岩礁がけっこうせり上がっているんだな……船だと大変だったのかな……などと思いを馳せます。

料金所があったところ。もちろん何もなくなっています

渡りきったあたりが向ヶ崎町。北原白秋が住んでいたあたりです。

今でも畑のあるあたり

魚かつぎ丘にのぼれば馬鈴薯の紫の花いま盛りなり

れいろうと不尽の高嶺のあらはれて馬鈴薯畑の紫の花

北原白秋 雲母集 | 青空文庫

といった歌が詠まれたのはこのあたりなんだと思います。今となってはジャガイモ畑はありませんが、家並みがなくて畑ばかりだったころの様子はなんとなく想像がつきます。見晴らしがよく、富士山も城ヶ島で見るような感じできれいに見えたことでしょう。そして足元にはジャガイモの花。

坂道を下ると北条湾に出ます

さらにてくてくと歩いて海伝いに三崎町へ。このあと三崎港そばの「港楽亭」で三崎まぐろラーメンを食べてから次の目的地に向かいました。

中華の港楽亭
三浦市三崎港の目の前にある、中華屋です。 ラーメン・チャーハン・ギョーザなどの定番 メニューから、三崎ならではの三崎まぐろラーメン・まぐろ焼売・ふかひれラーメンなどのご当地グルメまで取り揃えております。 老若男女問わず、ご利用できるお店です。 中・小宴会も承ります! ※ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の為 マス...
赤星友香
赤星友香

横須賀ぷらから通信主宰。クロシェター / ライター。普段はpiggiesagogoという屋号で編み図を作ったり、別館1617という自主レーベルで本を作ったりしています。横須賀育ちの北関東在住で、わりとつねに三浦半島に行く口実を探しています。

タイトルとURLをコピーしました